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SDGsとは、全世界が協力して達成を目指す17の目標とは?

SDGs

「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を一度でも耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
2015年9月に国連によって採択された「持続可能な開発目標」を意味し、2030年までに達成すべき17の目標が設定されています。
国際社会共通の目標として、全人類を挙げて取り組むことに決まったこのSDGsについて解説していきましょう。

将来にわたって地球環境や社会のシステムを維持するための目標

SDGsは「サステナブル・デベロップメント・ゴールズ(Sustainable Development Goals)」の頭文字を取ったもので、「持続可能な開発目標」と直訳されています。「サステナブル」は、本来は「維持できる、持ちこたえられる」などを意味する言葉で、そこから地球環境や社会のシステムなどの持続可能性の概念を表す使い方をされるようになりました。

つまりSDGsは「将来にわたって続けることができる方法による、グローバルな課題解決のための目標」を指すものです。
私たちの世代だけでなく、将来の世代への継承を前提とした考え方であり、それによって環境や社会を維持し、人類が永続的にこの地球で生活していくことができるようにさまざまな課題の解決を目指しています。

1970年代から始まる地球環境の危機への提言を継承

そもそもSDGsは急に登場したものではありません。その策定に至るまでには、多くのプロセスがありました。

地球環境の危機が最初に問題提起されたのは、1972年の『成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート』によってでした。ローマ・クラブは地球規模の諸問題を扱うシンクタンクで、このレポートでは100年以内に天然資源の枯渇や環境汚染が限界に達するという見解が示されたのです。

1980年代には、国連が設立した「環境と開発に関する世界委員会」による報告書『地球の未来を守るために』が発表され、その中に経済成長と環境保全を両立させる「持続可能な開発」(SD:サステナブル・デベロップメント)の考え方が盛り込まれていました。これをきっかけに「サステナビリティ」の概念が広く知られるようになっていったのです。

そして1992年の「地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)」において、21世紀に向けた持続可能な開発のための人類の行動計画「アジェンダ21」が採択。
さらに2000年の「国連ミレニアム・サミット」では「ミレニアム開発目標(MDGs:エムディージーズ)」として、環境問題のみならず先進国と途上国の格差や貧困の問題などを含んだ8つの目標が掲げられました。このMDGsは2015年を達成期限とし、一定の成果を挙げたとして評価されています。

それを引き継いだのが2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。ここで2030年を期限とする新たな目標としてSDGsが定められました。

地球上の誰ひとり取り残さないためのSDGs17の目標

SDGsには17の目標が定められており、そこに具体的な169のターゲットが設定されています。
では17の目標を見てみましょう。

【持続可能な開発目標】

SDGs1.貧困をなくそう
SDGs目標1「貧困をなくそう」は、「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」ことを目的としたものです。

SDGs2.飢餓をゼロに
「目標2.飢餓をゼロに」は、「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」ことを目的としたものです。

SDGs3.すべての人に健康と福祉を
SDGs目標3.「すべての人に健康と福祉を」は、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」ことを目的としたものです。

SDGs4.質の高い教育をみんなに
SDGs目標4.「質の高い教育をみんなに」は、「すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことを目的としたものです。

SDGs5.ジェンダー平等を実現しよう
SDGs目標5.「ジェンダー平等を実現しよう」は、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」ことを目的としたものです。

SDGs6.安全な水とトイレを世界中に
SDGs目標6.「安全な水とトイレを世界中に」は、「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」ことを目的としたものです。

SDGs7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
SDGs目標7.「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ことを目的としたものです。

SDGs8.働きがいも経済成長も
SDGs目標8.「働きがいも 経済成長も」は、「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」ことを目的としたものです。

SDGs9.産業と技術革新の基盤をつくろう
SDGs目標9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」は、「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことを目的としたものです。

SDGs10.人や国の不平等をなくそう
SDGs目標10.「人や国の不平等をなくそう」は、「各国内および各国間の不平等を是正する」ことを目的としたものです。

SDGs11.住み続けられるまちづくりを
SDGs目標11.「住み続けられるまちづくりを」は、「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」ことを目的としたものです。

SDGs12.つくる責任 つかう責任
SDGs目標12.「つくる責任 つかう責任」は、「持続可能な生産消費形態を確保する」ことを目的としたものです。

SDGs13.気候変動に具体的な対策を
SDGs目標13.「気候変動に具体的な対策を」は、「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」ことを目的としたものです。

SDGs14.海の豊かさを守ろう
SDGs目標14.「海の豊かさを守ろう」は、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ことを目的としたものです。

SDGs15.陸の豊かさも守ろう
SDGs目標15.「陸の豊かさも守ろう」は、「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」ことを目的としたものです。

SDGs16.平和と公正をすべての人に
SDGs目標16.「平和と公正をすべての人に」は、「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」ことを目的としたものです。

SDGs17.パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs目標17.「パートナーシップで目標を達成しよう」は、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」ことを目的としたものです。

網羅性のある内容が、わかりやすい言葉で示されています。
これらは地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを前提に定められたもの。その背景には、前身であるMDGsが発展途上国の問題の解決にウエイトが置かれており、偏りがあると指摘されていたことがあります。

改めて地球上のすべての人が協力して取り組むべき目標として掲げられたSDGs。
17の目標それぞれの詳しい内容やターゲット、事例については、別の記事で紹介していきます。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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