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いま注目されている「企業ブランディング(コーポレートブランディング)」とは

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住み続けられる地球を次の世代に残すために。いま「企業ブランディング(コーポレートブランディング)」が世間から注目されています。
企業ブランディングが注目された要因としてはコロナ禍の影響も大きいでしょう。
今後同じような大きな天災が起きたとしても、その状況下で「持続的に成長できるサスティナビリティ企業」が世の中から求められているのです。

企業ブランディング(コーポレートブランディングとは)

「企業ブランディング(コーポレートブランディング)は何で必要なの?」
「企業ブランディング(コーポレートブランディング)はどのように進めたらいいの?」
このような疑問をお持ちの方に本記事を読んで頂き、理解の一助になれば幸いです。

結論から言います。企業ブランディング(コーポレートブランディング)とはステークホルダーに企業のアイデンティティを感じてもらうための戦略です。ひいては競合他社との価格競争から抜け出すための差別化戦略にもなります。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)は商品ブランディングと何が違うのでしょうか。
企業ブランディングには具体的な売り物は存在しません。ロゴ・スローガン・HP・会社案内のデザインや商品ブランディングを指すものでもありません。
「企業理念を軸とした企業のアイデンティティとサスティナビリティ(持続的成長)」をステークホルダーに知ってもらうための施策のことを言います。

ステークホルダーとは消費者(顧客)、従業員、就活者、株主、仕入先、地域社会など企業と直接・間接的な利害関係を有する者をさします。
企業ブランディングとは「ステークホルダー全員に企業の理念・ミッションを理解、共感していただき、サスティナビリティを感じて、応援してもらうためにする企業の広報活動」と言えるでしょう。

企業に好印象を抱いてもらい、消費者(顧客)には「購入した商品・サービスにアイデンティティを感じてもらうこと」、従業員には「やりがい」、株主には「サスティナビリティ」、仕入先には「安心」、地域社会には「社会貢献性」を感じてもらうことが成果となります。

企業のアイデンティティに共感してもらうことで、「この会社だから間違いない・応援したい」という気持ちや、「その企業の商品・サービスを身に付けている、持っている、導入していることへの誇り」を醸成することができます。

地球には169個の問題が!! 国連が採択した「SDGs」

人々の課題はコロナ禍だけにとどまりません。2015年に国連に採択された「SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))」をご存じでしょうか。人類が2030年までに解決しなくてはならない地球規模の課題が、17の目標・169ものターゲットで示されているのです。その中でも特に大きな問題は、今や誰もが認識をしている地球温暖化です。
現状でも夏のうだるような暑さには耐えかねるものがありますが、2100年にはさらに4.8度上昇すると言われています。
その影響は、水面上昇、ハリケーン、森林火災、異常気象、その他様々な形で出てくるでしょう。ただ、この課題も17の目標のなかの1つに過ぎません。

「ESG投資」により企業統治はより難しいものに

世界的な潮流として、ESG投資(Environment(環境)/Social(社会)/Governance(企業統治))が注目されています。現在ESGの投資額は全世界で120兆ドルに近づいています。
ESG投資とは企業の業績や財務状況だけでなく非財務情報が重要視された投資です。財務状況だけでは見えにくい企業価値を見通し、「環境・社会・企業統治」の3つの観点から長期的成長が見込める企業かどうかを判断されるのです。
今回のコロナ禍のような天災があった場合でも、企業はどのようにリスク回避をして、持続的に成長できるのかを示さなければなりません。
環境の観点では気候変動財務(気候変動によるリスク回避)にも答える必要があります。
また、社会は労働者の人権・労働基準の評価のことを指しています。

「SDGs」や「ESG投資」の注目度は今後さらに上昇

日本では今まさにSDGsが注目されています。今後もさらに注目度は増していくでしょう。
それもそのはず、私たちの後の世代が、私たちの行いのせいで地球に住み続けられなくなっては一大事です。
地球環境に与える影響は、負の影響・正の影響ともに、国家より企業の方が大きいのです。その重要性について世界中の人々が認識し始めました。
「SDGs」「ESG投資」の注目度が上昇し続けるなかで、企業は理念に基づいた持続可能性を世界に実行・アピールしていかなければならないのです。

社会貢献と経済効果を両立する「CSV経営」

CSVとは、Creating Shared Value(共通価値の創造)の略です。米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が2011年にハーバード・ビジネス・レビューで提唱した概念です。
それまでは経済効果と社会的価値の創出は相容れないものだと考えられてきましたが、その概念を根本から覆す新しい視点の経営方法です。

このCSV経営こそが企業ブランディングと経済効果を両立するための唯一無二の手段なのです。
前述した通り地球には解決しなければならない課題が169個もあります。
CSV経営とは自社の事業内容に関連した社会課題の解決に取り組むことで社会との共通価値を創造し、培った技術や経験で競合他社との差別化をはかり、経済的な効果をもたらす戦略です。

CSV経営を行うことで企業はサスティナビリティを伝え、社会課題を解決する企業として消費者(顧客)にアイデンティティを感じてもらうことができます。

いまグローバル企業ではCSV経営こそが「競争優位」に立ち、消費者に「アイデンティティ」を感じてもらえる経営方法として認知されており、様々な取り組みが行われています。

CSV経営のモデルケース「トラクターメーカー『ジョン・ディア』のCSV経営とは」

今から100年以上も前に、農業機器を取り扱う会社ジョン・ディアが、農業を営むターゲット層との関係構築を考え、農業の課題解決ノウハウや最新情報を掲載したカスタムマガジン『The Furrow』を刊行しました。
ジョン・ディアはDMで商品カタログを送るのではなく、農家の役に立つ記事や情報を集めた冊子を送ることで多くのジョン・ディアファンを獲得しました。
この『The Furrow』は今もなお月に一度、12の言語に訳されてWEBと雑誌で出版されており、全世界に1500万人もの読者がいます。
さらにジョン・ディアは機械学習×農機のAgTechにも積極的です。
2018年には除草剤の使用量を削減するため、Blue River Technologyを買収しました。AI(機械学習)と画像認識を駆使して、ドローンでピンポイントに散布することにより90%もの除草剤削減を実現したのです。

CSV経営のモデルケース「ネスレのSDGsの取り組み」

世界第2位のコーヒー生産国ベトナムは、ロブスタコーヒーの世界最大の輸出国で、260万人が生計を立てるためにコーヒー関連セクターに依存しています。
この地域の水使用量の約96%はコーヒーの栽培に使われています。
しかし、不規則な降雨、長期間の干ばつ、過剰な水の汲み上げにより地下水不足が発生し、農民、家庭、産業にとって大きな脅威になりつつあります。
ネスレは水不足のホットスポット、早期警報気象システム、フィールドスクールと個々の農家を指導するトレーニングプログラムを立案し、 ベストプラクティスの採用により、水資源の持続可能な使用を実現しました。
これらの取り組みによりコーヒー農家は、農園1ヘクタールあたり取水量を年間最大60%節約できます。
また、農家は労働力とエネルギーの節約によるコスト削減を通じてより高い収入を得ると同時に、従来と同様かそれ以上の収穫量を確保しています。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは対外的なものだけではない

企業ブランディングのターゲットは顧客だけではありません。ステークホルダー全員がターゲットとなります。
ターゲットが従業員の場合はインナーブランディングが大切なポイントとなります。お客様と常に接しているのは他ならぬ現場の従業員です。
企業理念を核とした、経営層の考え方、会社が持っている社会貢献性、従業員からの意見も吸い上げ一緒に会社を作っていく姿勢こそが会社全体の士気を上げ、売り上げにも大きく寄与するでしょう。
また、ターゲットが仕入れ先の場合は、ネスレの事例が良いサンプルなります。仕入れ先の生産体制がしっかりしていないとWin-Winの関係は望めません。仕入れ先とともに多くの課題を解決していく姿勢が企業の価値を大きく上げることに繋がります。

まとめ

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは「企業が理念を元にどういった目標を持って社会の役に立っていくのか」という意思表明だと私どもは考えています。
ジョン・ディアのように、自社の営利の前にどのようにして消費者(顧客)のお困りごとを解決できるか一緒に考える。ネスレのように、コーヒー農家(外注先)の生産体制を一緒になって課題を解決する。
このようなお困りごとや課題には必ずSDGsやESGが関わってくる部分が多様にあります。
ステークホルダーとスクラムを組み一緒に課題を解決する姿勢こそが企業のブランドの認知・認識につながります。
このような認知・認識は競合他社との差別化に大きく寄与するものとなります。これこそが「企業ブランディング」であると私どもは考えます。
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