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CIの三大要素2・VI(ビジュアル・アイデンティティ)

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CIやブランドアイデンティティ戦略の中で、視覚的要素を担うVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、比較的理解しやすい概念です。企業やブランドの思想や目指すイメージといった抽象的な概念を、目に見える物理的な形で人々に示すものだからでしょう。
この記事では、CIの重要な一要素であるVIについて、どのような種類があるのか、またそれらがどういった役割を担い、どのようにして作られるのかを解説します。

ビジュアルアイデンティティの構成要素

VIには、企業やブランドのアイデンティティを象徴的に表現する基本的要素と、それらを媒体に表示する際に一定のクオリティと整合性を持ってコミュニケートできるよう、計画的にコントロールされた展開要素があります。

【基本的要素】
シンボルマーク:視覚的なアイデンティティの核をなすもので、イメージや目指す姿などを象徴する重要な要素です。デザイン的に高いクオリティが要求されると共に、商標として権利保護の対象になりますので、類似がないか慎重に制作を進めなくてはなりません。
ロゴタイプ:社名やブランドネームを表示する独自の書体をロゴタイプと称します。個性も大切ですが読みやすいこと、見やすいことが大事な条件です。社名をシンボルマーク的にデザインした場合は「ロゴマーク」と呼び、区別することがあります。ロゴタイプは多くの場合、シンボルマークと組み合わせ「シグネチャー」として展開されます。
コーポレート(ブランド)カラー:企業やブランドを他と明確に差別化したり、イメージを具体的に想起してもらいやすいよう独自のカラーを定めたものがコーポレート(ブランド)カラーです。印刷媒体が主だった時代はPANTONEナンバーや混色比率で指定してコントロールしましたが、電子データで管理する現在では恣意的な改変の防止に重点が置かれています。
タグライン:ステートメント、スローガン、キャッチフレーズなど企業やシーンにより名称が異なる場合もあります。企業やブランドのメッセージを簡潔な言葉で表現するもので、多くの場合決められた書体を用います。書体はロゴタイプ同様、可読性や視認性に配慮して作られます。

【展開要素】
ステーショナリー:名刺、封筒、帳票など顧客や関係社会と頻繁に行きかうステーショナリー類
は、ビジュアル・コミュニケーション上の主要な媒体です。文字情報など他の表示要素との関係性でデザインが制約されるので、使用する際の条件を十分考慮して一貫したイメージ発信ができるよう設計していきます。
店舗・サイン・車両類:店舗がある場合は店舗のイメージ、社屋のサインや看板、車両など街で目にするものも重要なビジュアル媒体です。表示の際に材質や物理的な条件で制約を受けることもあるため、状況に合わせた想定を行います。
広告・販促物:広告・販促物はクリエイティブな要素が強いため、必要以上に厳密なルールは適用されないケースがほとんどです。ただし、定められたVIイメージを意図なく乱すことは制限されます。

ビジュアルアイデンティティが果たす役割

Appleのリンゴマーク、Twitterのさえずる鳥、LINEのグリーンの吹き出し、NIKEのSwoosh、スターバックスのセイレーン。有名なシンボルマークは、見ただけで「それが何か」を瞬時に想起、判別させます。これらは企業やブランドが目指す世界観を象徴するものであり、またユーザーとの間で築き上げた信頼の証でもあります。

昨今街で目にすることが多くなった出前の個人宅配も、目立つ大きなバッグの表示やカラーでどの事業者なのかが、即座にわかります。佐川急便かヤマト運輸かは、トラックや制服で判別できます。そのかわりドライバーや事業所には、背負ったブランドにふさわしい態度や行動、サービス品質が要求されるのです。結果としてブランドのクオリティが保たれ、さらなる信頼が積み重ねられていきます。

ビジュアル・アイデンティティ構築のプロセス

マインド・アイデンティティの明確化プロセスで、目指すビジョンやミッションなどの理念的要素が確立されたら、それを視覚的に表現するデザイン化のプロセスに入ります。専門会社やデザイナーに発注したり、社内・社外から公募したりと手法はいくつかありますが、象徴性、視認性、独自性、再現性など制作に際して必要な要件も多々あるので、プロフェッショナルを交えて進める方が効率的です。
通常は上に示したシンボルマークやロゴタイプ、カラーなど基本的要素の案を、複数の候補の中からスクリーニング(絞り込み)していき、最終的に1案に決定します。
基本的要素が決まったら、調査・収集した展開要素に合わせてデザインするアイテムを決め、表示のシステムを構築します。最終的にはガイドラインやマニュアルを作成して、スムーズに運用管理がなされるよう態勢を整えます。費用や開発期間はプロジェクトの規模によって大きく変わるので、事前の計画や準備にも時間をかけて検討しましょう。

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