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差別化戦略で独自性を磨こう、競合他社がいない世界へ

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物と情報に溢れコモディティ化が進んでいる現代、差別化戦略こそが企業のサスティナビリティにおいて一番の課題といえるでしょう。差別化ができていない商品・サービスは価格競争に巻き込まれます。この記事では、差別化の方法をご紹介していきます。

1.差別化とは何のためにするのか

レッドオーシャンという言葉をよく耳にすると思います。レッドオーシャンとは競合ひしめき、価格競争の激しい状況の事を意味します。その逆の意味でブルーオーシャンという言葉があります。競合がいなく価格競争に陥らない状態のことを意味します。 差別化はこのブルーオーシャンになるために行う戦略です。言葉で言うのは簡単ですが、実際に成功させるには地道な努力が必要になります。

例としてテレビ番組やYoutubeチャンネルなどのメディアで考えると分かりやすいと思います。メディアなので企業の商品・サービスとは基本的に違いますが、差別化戦略という点では共通しています。テレビやYoutubeは広告収入が収入源となり、いかに視聴回数を稼げるかが大事になります。視聴回数を稼ぐには、他番組・チャンネルとの差別化を行わなければなりません。人気が出ず視聴回数が少ない番組やチャンネルには広告出稿がされないからです。では人気を出すためにはどうしたら良いでしょうか。視聴者の共感を生む独自の企画・キャラクターを確立することです。例えば、テレビでいえば既に観たことあるような旅番組・バラエティ番組は一定の需要はあるといえど人気は出ません。Youtubeも同じく特徴のないバラエティ系の動画は山のようにあり、人気が出ずやめていく人は山ほどいます。このような状態をコモディティ化と言います。

商品やサービスでもこれと同じことが起こっています。消費者ニーズに合わせた機能や性能だけでは差別化ができない状態です。他商品・サービスと比べて人気をだすことが難しいのです。なぜならどの商品サービスも同じような機能・性能を持ち合わせているからです。
あとは価格で張り合うしかありません。海外の安価商品・サービスには価格面でも太刀打ちできないでしょう。

2. 差別化の基礎「USP」とは

それでは前述した「人気」とはどのように作っていくものなのでしょうか。それには「USP」コピーライターの、ロッサー・リーブル氏が提唱し、50年以上経過した現在でも使用されている概念が非常に役に立ちます。 UはUnique、独自性、SはSelling、提供するもの、PはProposition、提案
USPとは「消費者に対して自社のみが提供できる利益、価値」 消費者にとって商品やサービスは自己実現をするためのツールです。どの商品やサービスを使えば自分の創造する世界観のプラスになるのか。それが企業が消費者に提供すべきUSPです。

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3.差別化ができればおのずとファンが醸成れる

USPのUを磨くことが一番差別化への近道になりますが、一番難しい課題ではあります。

Sは製品の機能・性能の話ですので現代では残念ながらコモディティ化しています。Pは消費者ニーズへの提案です、これも残念ながらコモディティ化しています。 ではUの共感を生む独自の企画・キャラクターを確立するとはどのようにすればよいのでしょうか。見当もつかないという方はたくさんいらっしゃると思います。
まずは自社の経営理念・コアコンピタンスを考えることが重要です。この2つを軸としてサスティナビリティ(持続可能性)を考慮し、ステークホルダーに抱いてもらいたい「企業アイデンティティ」作っていけば良いのです。この企業アイデンティティに共感してくれた方が御社のファンとなり御社の応援者となるでしょう。

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4.差別化のためにファンとの共通価値を創造しよう

昨今SDGsやESGとう概念が注目を浴びています。SDGsは国連が提唱した世界共通の17個の課題と169のターゲットから構成される社会課題です。この企業が社会課題を解決する姿勢は生活者との共通価値を創造することになります。BtoC、BtoBに限らずものやサービスが充分にある現代、生活者の生活ニーズは満たされているといっても過言ではないでしょう。今までの商品・サービスは生活ニーズに寄り添って作られてきました。このニーズが満たされてしまったことにより、コモディティ化につながっているのです。

しかし多くの社会課題はまだ手付かずで残っています。今まで培ってきた技術とノウハウで自社が対応できる社会課題を見つければ自社ならではの企画・キャラクターが確立されます。それを軸にステークホルダーとの共感を醸成していけばよいのです。今すぐに実現できなくても構いません。まずは自社が対応できるであろう課題と未来に対する考え方を発信しましょう。その考え方、取り組みが御社独自のストーリーを生み出し読者の共感を醸成します。それこそが他社では真似できない差別化戦略として御社のサスティナビリティに大きく貢献します。

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5.まずはコーポレートアイデンティティ(CI)を決めましょう

コーポレートアイデンティティ(CI)というワードは聞いたことがあると思います。
コーポレートアイデンティティ(CI)のコーポレートは企業、アイデンティティは独自性・個性で、「企業の独自性」といった意味があります。
コーポレートアイデンティティというと企業理念やロゴが思い浮かぶかもしれませんがこの2つの要素だけで構成されるものではありません。
MI(マインドアイデンティティ)、VI(ビジュアルアイデンティティ)、BI(ビヘイビアアイデンティティ)の3つのアイデンティティから成り立っています。企業はこのコーポレートアイデンティティを軸にステークホルダー(消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関)とコミュニケーションを取る必要がありブランディングに大きく影響します。コーポレートアイデンティティが浸透しておらずバラバラのコミュニケーションを取ると企業の独自性が伝わらずブランディングに失敗するでしょう。

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6.ブルーオーシャンに船出しよう

前述しましたが、メディアは差別化がない限り視聴者・読者に見てもらえません。しかし一度共感を生むことができれば多くの生活者に閲覧してもらうことができます。自社の独自性を自社メディアで配信することにより、多くのステークホルダーの共感を醸成することができます。醸成できた御社のファンは競合他社の商品・サービスと比較することが少なくなるでしょう。なぜなら消費者は商品やサービスを使うことにより自分の世界観を創造するからです。つまり自社の世界観に共感してくれる人を見つければよいのです。これをマーケティング用語ではブランドロイヤリティといいます。自社のブランドロイヤリティを高めれば、価格にもロイヤリティを付けることができるようになります。またリピート客の増加にも大きく貢献します。このようなブルーオーシャンを作り出すために差別化戦略を始めましょう。

企業ブランディングにおける優れたコンテンツマーケティング事例5選

1.ヤンマー「Ymedia」

ヤンマーはブランドステートメント(ブランドの理念・使命)として“SUSTAINABLE FUTURE”を掲げています。ブランドステートメントWEBページではサスティナブル動画が掲載されています。この動画ではブランドステートメントをコンセプトにして、エンジン、農業、建設機械、マリン関連、熱・電気供給、これらの事業領域で最大の豊かさを最小の資源で実現することを表明しています。人がいつまでも豊かに暮らせること、自然がいつまでも豊かでありつづけること。そのどちらも考えなければ、未来とはいえない。次の100年のために。ヤンマーのサスティナビリティのコアを表現した動画になっています。

またブランドステートメントを軸にした「Ymedia」というWEBメディアを運用しています。コンテンツはWEBサイトTOPページに表示されており、その重要性がうかがえます。WEBサイトだけでは伝えきれないヤンマーの考え方、未来の見方、現在の活動をコンテンツにしてステークホルダーに配信しています。読者にはヤンマーの本気度が伝わる内容になっています。これぞ企業ブランディングといえる代表事例です。

2.クボタ「Kubota Press」

クボタはサスティナビリティページに加え、会社の将来性・活動をより分かりやすく伝えるために「Kubota Press」というWEBマガジンを運用しています。サスティナビリティページでは伝えきれないクボタの将来の目標、現状の取り組み、社会問題(食料不足、水不足、人手不足)の具体的な紹介など記事と取材を交えて配信。クボタの取り組みや考え方がより具体的にわかり、持続的成長に期待させられる内容です。このようにサスティナビリティコンテンツをステークホルダーに定期的にお届けすることで、コミュニケーションを絶やさず共通価値を築けます。クボタの先進的なアイデンティティを感じさせる企業ブランディングの成功例です。

3.ダイワハウス「SUSTAINABLE JOURNEY」

ダイワハウスはWEBマガジン「SUSTAINABLE JOURNEY」を運営しています。このマガジンのコンセプトは世界中のアイディア溢れるサスティナブルな取り組みを紹介し、次世代のライフスタイルを考えるメディアです。住宅企業としてのダイワハウスの意識の高さがうかがえます。テーマは「サスティナブル」とし、カテゴリを”人・街・暮らし”に設定します。急速に変化する世の中、私たちの生活も地球のサスティナビリティを考え変化させていかなければなりません。今後の生活をどのように変えていけばいいのか参考になる記事・取材記事が多く掲載されており、住宅企業として人々のライフスタイルにヒントをくれるメディアになっています。コンテンツに触れることで読者はダイワハウスのサスティナビリティを自然に体感できるCSRブランディングの成功事例です。

4.みずほ銀行「未来想像WEBマガジン」

みずほ銀行はWEBマガジン「未来想像WEBマガジン」を運用しています。コンセプトは“未来へのヒントが見つかるウェブメディア”。未来想像WEBマガジンは、これからの未来を前向きに生きていくために、未来を考え、未来を自分ごと化し、未来を想像するための世の中の変化を始め、ライフデザインやトレンドやお金など様々な情報を提供していく未来特化型のウェブメディアです。急速に変化する世の中、人生の送り方、ライフイベント、お金との向き合い方にも当然変化があります。生活者にこれからのライフスタイル情報を 配信し、みずほ銀行の信用と信頼を積み重ねるためのメディアになります。長期的な目線で考えられた企業ブランディングの好事例です。

5.オカムラ「ACORN」

オフィス環境事業を生業とするオカムラは「ACORN」というWEBメディアを運用しています。ブランドステートメントは「自然共生と生物多様性に向けたアクション」を「ACORN(エイコーン)」と名づけ、積極的に取り組んでいます。「ACORN」は英語でどんぐりを意味する言葉です。次の種をつなぐために、なくてはならない存在であるどんぐりを、オカムラの活動の象徴としました。私たちの暮らしや企業活動は、自然環境や多くの生物の営みの連鎖(=生物多様性)によって支えられています。持続可能な社会の実現をめざすオカムラは、これらの環境を守り育てることへの貢献を使命と考え、その活動をWEBメディアで発信しています。

ご紹介した5つの企業はみな、企業アイデンティティを伝えるためにWEBメディアを基幹とした企業ブランディングに注力しています。そこには自社ホームページのみでは伝えきれない企業の文化・キャラクター・考え方が色濃く反映され、サスティナビリティをさまざまな角度から表現しています。そして読者はステークホルダーになり、生活者、クライアント、投資家、従業員、関連企業の方々との共通認識を作っていくことができます。企業が新しいサービスや商品を生み出した際もアイデンティティをよく理解した読者は応援者となってくれることでしょう。

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