ブランドロイヤルティとは ブランドを愛するリピーターを増やす
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特定のブランドのファンで、そのブランドの製品やサービスばかり選択してしまうという方、結構多いのではないでしょうか。このブランドに対する愛着心は「ブランドロイヤルティ(ブランドロイヤリティ)」といわれており、ブランディングを進める上でかなり重要なファクターになります。
そこでここでは「ブランドロイヤルティ」についてご紹介します。
ブランドロイヤルティとは
「ブランドロイヤルティ」は、“銘柄忠誠度”などともいわれ、ブランドに愛着をもち、そのブランドを買い続けてくれるファンの多さの指標となるものです。 アメリカの経済学者デービッド・アーカー教授が提唱した、ブランドを資産として考える「ブランドエクイティ」という概念を構成する5つの要素(ブランドロイヤルティ/ブランド認知/ブランド連想/知覚品質/その他のブランド資産)のひとつで、その中でも最も重要なものといわれています。
似た用語に「顧客ロイヤルティ」がありますが、「ブランドロイヤルティ」がブランドに対する愛着の指標であることに対し、「顧客ロイヤルティ」はブランドを扱う企業に対する愛着の指標となります。また、よく耳にする「顧客満足度」には、ブランドに愛着をもっていない顧客も含まれている点が、ブランドロイヤルティと異なります。
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ブランドロイヤルティを高めるメリット
このブランドロイヤルティを高めることで生まれるメリットをご紹介します。
《ブランドロイヤルティを高めるメリット》
・リピート率の向上
・顧客単価の上昇
・広告宣伝コストの削減
それでは各内容について簡単にご紹介します。
・リピート率の向上
ブランドロイヤルティが高まると、競合商品・サービスがあってもそれを検討することなく、愛着をもったブランドを選択してくれるようになるため、リピート率が向上します。それにより、一定の安定した収入も得られるようになります。
・顧客単価の上昇
顧客がブランドに愛着をもつと、そのブランドの他商品・他サービスについても自ら進んでチェックをして購入してくれるようになります。その結果、さまざまな商品・サービスをまとめて選択することによる顧客単価の上昇が期待できます。
・広告宣伝コストの削減
ブランドロイヤルティが高まるにつれてリピーターが増加し、顧客自らが積極的にSNSなどを使って商品・サービスの情報を発信する口コミ効果が向上します。そうなることで、広告宣伝費のコストを削減できるようになります。
ブランドロイヤルティの高め方
ブランドロイヤルティを高める方法には、主に下記のようなものがあげられます。
顧客満足(CS)を満たすのは当然として、さらに上の顧客感動(CD:カスタマーディライト)を実現させられるように運用することが大切です。
・クオリティの維持・向上
商品・サービスのクオリティを高レベルで保ち、向上させていく。
・利便性の追求
商品購入のしやすさ・サービス利用の際のわかりやすさを追求する。
・サポートの充実
商品・サービスの検討時から購入後まで真摯な対応を行う。
・ポイント・クーポン付与
リピートにつながるポイントやクーポンを上手く活用する。
・コミュニティの活用
SNS・口コミ・レビューなどを活用し、顧客との接点づくり・情報発信・拡散を狙う。
ブランドロイヤルティの測定方法
目に見えないブランドロイヤルティを調べるには、主に下記のような測定方法があります。
これらの方法を使って、自社ブランドの顧客評価を確認し、商品・サービスの改善に努めましょう。
・NPS(Net Promoter Score)
顧客が該当ブランドの商品をどれだけ他人に薦めたいかを測定する方法です。
顧客が薦めたい気持ちを0点(まったく思わない)〜10点(非常にそう思う)の間で評価してもらい、0〜6点を付けた人を「批判者」、7〜8点を付けた人を「中立者」、9〜10点を付けた人を「推奨者」に分類します。そして推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値(-100〜100の間。数値が高いほど良い)が測定結果となります。
(例:推奨者が25%、批判者が60%なら、25-60=NPS-35となる。)< br>
・DWB(Definitely Would Buy)
顧客が該当ブランドの商品をどれだけ購入したいかについて測定する方法です。
顧客に対し、「絶対買いたい」「買いたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「絶対に買いたくない」の5段階でアンケートを行い、「絶対買いたい」を選んだ数が多いほど、ブランドロイヤリティが高いと評価できます。
ブランドロイヤリティの向上が企業成長に直結する
企業の売上の80%は、20%の優良顧客(ロイヤルカスタマー)によってもたらされるという、「パレートの法則(80:20の法則)」などが示す通り、リピーターとなるブランドファンを増やすことはそのまま企業の成長に直結します。ブランディングをする際には、まずブランドロイヤルティを高める努力をしましょう。
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