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世界に求められているサスティナビリティ経営の取り組み事例

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サスティナビリティとは何か?

サスティナビリティとは持続的成長のことを指します。
この言葉は地球全体の持続可能性のことを意味し、もとは水産業界で使われ水産資源を減らさずに漁獲量を持続させることを意味しました。
この考え方が広まり、今は企業にもサスティナビリティ経営が求められています。

サスティナビリティ経営とは?

企業におけるサスティナビリティ経営とは事業活動を通じて社会貢献を行い、事業ひいては地球の持続可能性に役立つための経営戦略のことを指します。次の世代が持続的に地球で暮らせるように、自社が持続的成長を続けられるように、サスティナビリティ経営に取り組む企業が増えています。

同義語としてCSR経営という経営戦略があります。これまで企業が取り組んできたCSR(企業の社会的責任)とは一線を画した考え方です。
今までは社会的に責任があるため取り組んできた節がありますが、今後は事業活動を通じて、利益向上を目指して社会貢献に取り組んでいく必要があります。

国連が提唱するSDGsとサスティナビリティ経営の関係は?

2015年9月にニューヨークの国連本部で「国連・持続可能な開発サミット」が開催され、193の国連加盟国により採択された合意文書「私たちの世界を転換する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」。SDGsはその中に示された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)です。

SDGsは17のゴールと169のターゲットが設けられた全人類の共通目標です。
このままの生活水準で地球資源の無駄遣いを続ければ2030年には地球が2つ必要になるといわれています。
これらの課題を解決するには国よりも企業が貢献できる部分が多いとされています。
私たちの生活を維持するために、事業を通じて課題解決ができる企業を持続的成長企業として人々が評価する時代はもうすでに始まっています。

サスティナビリティ報告書とGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)とは

GRIとは本部をオランダのアムステルダムに置くサスティナビリティ報告書のガイドラインを制定している国際的な非営利団体です。
企業や組織が持続可能に発展するには、自らの活動のパフォーマンスが経済、環境、社会にどのようなインパクトを与えるかを考慮する必要があります。
GRIによるサスティナビリティ報告書の枠組みを適用することにより、企業がこうしたインパクトを測定し、分析し、解釈し、これを広く伝達することが可能となります。 これにより、企業の透明性と説明責任が確保され、ステークホルダーとの信頼関係が構築されます。

2016年に現行のGRIスタンダードが発行され、サスティナビリティ報告書が普及するようになりました。
非財務情報はサスティナビリティ報告書の中で義務として開示が求められる時代です。
非財務情報の開示を、財務報告での情報開示ように、確固たる標準的な基準に沿って行うために発行されました。

GRIスタンダードは世界で最も広く採用されている非財務報告の枠組みです。企業の持続可能性に関するパフォーマンスを報告し、透明性と説明責任を確保することに役立ちます。 世界の大手企業の上位250社のうち、75%がGRIスタンダードを利用してサスティナビリティ報告書、CSR報告書、ESGレポート等を発行しています。 GRIの枠組みは、Bloomberg、NASDAQ、Reutersなどの主要な金融情報機関が、企業の環境、社会、ガバナンス(ESG)情報を分析するために使用しています。 GRIスタンダードでは、マテリアリティは企業自らが特定すべきものになっています。ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、企業がそれぞれマテリアリティを特定することになります。 GRIスタンダードに基づくサスティナビリティ報告書は、投資家ニーズに応えるためだけに作られるものではなく、情報公開や説明責任の確保を主たる目的とするものでもありません。企業のサスティナビリティ戦略を作成するための重要なツールという位置づけになります。

サスティナビリティ経営の成功事例「Lush」

イギリスの化粧品メーカーのLushをご存じでしょうか。
カラフルでいい匂いの石鹸が世界中で人気を博しています。日本にも多くの店舗を出店している有名店です。もともと添加剤を使わないなどエシカル企業だったLushですが、プラスチック包装を廃止し、たった3年間で売り上げを3倍にした実績があります。
廃棄プラスチックによる環境汚染という社会課題の解決だけでなく、包装コストを開発に転換したことにより高品質な商品を出すことができ、こうした取り組みは消費者からも口コミで応援されました。
またLushは設立以来、化粧品開発のための動物実験に反対しています。
ヨーロッパでは1980年から化粧品の動物実験に反対するキャンペーンが各国で広まり、消費者は署名を集め、寄付をし、化粧品会社に対してデモ行進に参加しました。
そして動物実験をした化粧品の不買運動が起き、現在EUで製造・販売される化粧品は動物実験が一切行われていません。

消費者はいま物の豊かさから心の豊かさを求める方向にシフトしています。物質的な豊かさと精神的な豊かさ両方を消費者に提供できるビジネスこそが企業の持続可能性を高めることができます。
SDGsはそうしたビジネスの可能性を見つけるためのうってつけのツールです。
社会貢献型ビジネスを実践すると他の企業から消費者・クライアントから応援され、共創パートナーとして選ばれ、従業員にも長く勤務してもらえます。ステークホルダーとの共通価値の創造こそが、持続可能な企業への第一歩となるでしょう。

サスティナビリティ経営の成功事例「キリンホールディングス」

キリンホールディングスの人気商品「午後の紅茶」シリーズの原材料である紅茶葉の生産地の1つにスリランカがあります。 このスリランカ農園の持続可能性を支援の取り組みを行っています。93農園でレインフォレスト・アライアンス認証を取得し、 環境・社会・経済の3点から支援をしています。
「環境」では森林保全や野生生物の調査・保護、ゴミの分別やリサイクルの指導。
「社会」では農園内の診療所の設置や、茶摘みさんへの住居の提供など、農園労働者の生活向上への取り組み。
「経済」では農業技術そのものについてもトレーニングが行われます。農薬や肥料の使用量を抑えながら収量を上げる科学的な方法を指導することで、森林を守るだけではなく、支出が減ることで農園の収益も向上し、茶葉の安全性も高まります。

サスティナビリティ経営の成功事例「トヨタ自動車」

トヨタ自動車が手掛ける、富士山のふもとにある「Woven City」はあらゆるモノやサービスがつながる実証都市です。
「コネクテッドシティー」はモノやサービスがIOTやAIでつながり新たな生活の価値やビジネスモデルが創造されます。
渋滞問題、高齢化社会、自然環境との調和を考え、交通や社会インフラをあるべき姿を目指します。

日本企業も選出、2021年のGlobal100

「Global100」とはカナダのコーポレートナイツ社が毎年発表する「世界で最も持続可能な100社」のことで2005年にスタートし毎年注目を集めます。
財務状況だけでなく、クリーンな投資、環境問題に対する取り組みなど、24のKPIに基づき評価されています。
2020年度は、ダボス会議の開催テーマが「ステークホルダーがつくる、持続可能で結束した世界」であったため、会議に合わせて公表されました。
今年2021年度にノミネートされたのは、世界各国の8080社。日本からは5社が上位100位に選ばれました。
選出された日本企業は、5社のうち2社が製薬会社、1社が医療機器メーカーでした。

16位エーザイのSDGsへの取り組み

製薬会社のエーザイは16位で日本のトップでした。エーザイは今回で5度目の選定となりました。 エーザイではSDGsに対して以下の取り組みをしています。

SDGs1:貧困をなくそう
開発途上国・新興国への医薬品アクセス向上への取り組みを通じて、健康福祉の向上、中間所得層の拡大による経済成長への貢献をめざす

SDGs3:すべての人に健康と福祉を
革新的な医薬品の創出
医薬品の提供にとどまらないソリューションの提供
開発途上国に蔓延する顧みられない熱帯病(NTDs)の制圧に向けた取り組み
開発途上国・新興国において、エーザイ製品を購入しやすい価格(アフォーダブルプライシング)で提供

SDGs5:ジェンダー平等を実現しよう
ダイバーシティの推進2020年度までに女性管理職比率10%をめざす

SDGs6:安全な水とトイレを世界中に
水資源の有効利用による水不足リスクへの対応

SDGs12:つくる責任つかう責任
循環型社会形成への取り組み「廃棄物発生量削減、リサイクル率向上、最終埋立量の削減」の推進

SDGs13:気候変動に具体的な対策を
低炭素社会形成への取り組み「国内のCO2排出量を2020年度までに2005年度比で23%削減」をめざす

SDGs17:パートナーシップで目標を達成しよう
重点領域でのイノベーション創出に向けた企業、アカデミアとのパートナーシップ
医薬品アクセス拡大に向けた国連機関、非営利組織、研究機関、アカデミア等とのパートナーシップ

41位コニカミノルタのSDGsの取り組み

電気機器メーカーのコニカミノルタは41位。 コニカミノルタではSDGsに対して以下の取り組みをしています。

SDGs3:すべての人に健康と福祉を
超高齢社会が直面する介護の課題にソリューションを‐HitomeQ ケアサポート
介護業務のワークフローを変革し慢性的な“人材不足”の解消に貢献
正確で効率的ながん診断や創薬支援に貢献−個別化医療
新興国の医療課題に「遠隔診療」で応える−ポータブル医療デバイスを活用した遠隔診療

SDGs5:ジェンダー平等を実現しよう
企業の働き方改革を支援−Workplace Hub(ワークプレイスハブ)

SDGs8:働きがいも 経済成長も
ガスを可視化し、安全・安心と環境対策に貢献−ガス監視ソリューション
商業・出版印刷の環境負荷をデジタルで低減−AccurioJet(アキュリオジェット) KM-1s
働く現場の外国語コミュニケーションを支援−KOTOBAL(コトバル)

世界のサスティナビリティ企業のWEBマガジン事例4選

1.Nestle「Our Stories」

Nestleは事業を通じて社会に貢献するために自分たちに何ができるのか、サスティナビリティをWEBマガジン「Our Stories」で配信しています。 私たちは毎日何十億もの命に触れています。私たちは、個人や家族、地域社会、そして地球のために、より良い、より健康的な世界を作る手助けをしたいと思っています。 私たちのストーリーでは、ネスレがどのように違いを生み出しているかを詳しく見ていきます。

2.Zappos「Zappos stories」

Zapposは従業員のキャラクターやストーリーをWEBマガジン「Zappos stories」で配信しています。 差別化ブランディングのため、ステークホルダーに対してZappos従業員の個性や日々のストーリーを配信しエンゲージメント向上を目指しています。

3.Neste「Journey to Zero stories」

運輸会社のNesteは地球のサスティナビリティをWEBマガジン「Journey to Zero stories」で配信しています。 NesteはWEBマガジン「Journey to Zero stories」を通じて、カーボンニュートラルな未来に向けて世界を動かすストーリーをステークホルダーに配信しています。

4.Bosch「Our stories」

Boschは最先端の分野でさまざまな課題解決に貢献する、Boschの技術やソリューションを紹介します。 Boschの技術による社会貢献を、ステークホルダーに伝えるサスティナビリティブランディングのためのWEBメディアです。

日本のサスティナビリティ企業のWEBマガジン事例8選

1.ヤンマー「Ymedia」

ヤンマーはブランドステートメント(ブランドの理念・使命)として“SUSTAINABLE FUTURE”を掲げています。ブランドステートメントWEBページではサスティナブル動画が掲載されています。この動画ではブランドステートメントをコンセプトにして、エンジン、農業、建設機械、マリン関連、熱・電気供給、これらの事業領域で最大の豊かさを最小の資源で実現することを表明しています。人がいつまでも豊かに暮らせること、自然がいつまでも豊かでありつづけること。そのどちらも考えなければ、未来とはいえない。次の100年のために。ヤンマーのサスティナビリティのコアを表現した動画になっています。

またブランドステートメントを軸にした「Ymedia」というWEBメディアを運用しています。コンテンツはWEBサイトTOPページに表示されており、その重要性がうかがえます。WEBサイトだけでは伝えきれないヤンマーの考え方、未来の見方、現在の活動をコンテンツにしてステークホルダーに配信しています。読者にはヤンマーの本気度が伝わる内容になっています。これぞ企業ブランディングといえる代表事例です。

2.クボタ「Kubota Press」

クボタはサスティナビリティページに加え、会社の将来性・活動をより分かりやすく伝えるために「Kubota Press」というWEBマガジンを運用しています。サスティナビリティページでは伝えきれないクボタの将来の目標、現状の取り組み、社会問題(食料不足、水不足、人手不足)の具体的な紹介など記事と取材を交えて配信。クボタの取り組みや考え方がより具体的にわかり、持続的成長に期待させられる内容です。このようにサスティナビリティコンテンツをステークホルダーに定期的にお届けすることで、コミュニケーションを絶やさず共通価値を築けます。クボタの先進的なアイデンティティを感じさせる企業ブランディングの成功例です。

3.ダイワハウス「SUSTAINABLE JOURNEY」

ダイワハウスはWEBマガジン「SUSTAINABLE JOURNEY」を運営しています。このマガジンのコンセプトは世界中のアイディア溢れるサスティナブルな取り組みを紹介し、次世代のライフスタイルを考えるメディアです。住宅企業としてのダイワハウスの意識の高さがうかがえます。テーマは「サスティナブル」とし、カテゴリを”人・街・暮らし”に設定します。急速に変化する世の中、私たちの生活も地球のサスティナビリティを考え変化させていかなければなりません。今後の生活をどのように変えていけばいいのか参考になる記事・取材記事が多く掲載されており、住宅企業として人々のライフスタイルにヒントをくれるメディアになっています。コンテンツに触れることで読者はダイワハウスのサスティナビリティを自然に体感できるCSRブランディングの成功事例です。

4.みずほ銀行「未来想像WEBマガジン」

みずほ銀行はWEBマガジン「未来想像WEBマガジン」を運用しています。コンセプトは“未来へのヒントが見つかるWEBメディア”。未来想像WEBマガジンは、これからの未来を前向きに生きていくために、未来を考え、未来を自分ごと化し、未来を想像するための世の中の変化を始め、ライフデザインやトレンドやお金など様々な情報を提供していく未来特化型のWEBメディアです。急速に変化する世の中、人生の送り方、ライフイベント、お金との向き合い方にも当然変化があります。生活者にこれからのライフスタイル情報を 配信し、みずほ銀行の信用と信頼を積み重ねるためのメディアになります。長期的な目線で考えられた企業ブランディングの好事例です。

5.オカムラ「ACORN」

オフィス環境事業を生業とするオカムラは「ACORN」というWEBメディアを運用しています。ブランドステートメントは「自然共生と生物多様性に向けたアクション」を「ACORN(エイコーン)」と名づけ、積極的に取り組んでいます。「ACORN」は英語でどんぐりを意味する言葉です。次の種をつなぐために、なくてはならない存在であるどんぐりを、オカムラの活動の象徴としました。私たちの暮らしや企業活動は、自然環境や多くの生物の営みの連鎖(=生物多様性)によって支えられています。持続可能な社会の実現をめざすオカムラは、これらの環境を守り育てることへの貢献を使命と考え、その活動をWEBメディアで発信しています。

6.AISIN「AI Think」

ビジョン・イノベーション・スタイルの3つの視点から、アイシンの今、未来を知ることができるメディアになります。 「”移動”に感動を、未来に笑顔を。」アイシンの夢と志を一言で表した言葉です。 アイシンのサスティナビリティをステークホルダーに伝える企業ブランディングのためのWEBメディアです。

7.村田製作所「技術記事」

エレクトロニクス産業の発展に寄与するムラタの技術を紹介します。 村田製作所の技術による社会貢献を、ステークホルダーに伝えるサスティナビリティブランディングのためのWEBメディアです。

8.TDK「ストーリー」

TDKの最新ストーリーはテクノロジーの進化によって、新しい便利や快適がつぎつぎと生まれる時代。最先端の分野でさまざまな課題解決に貢献する、TDKの製品やソリューションをご紹介します。 TDKの技術による社会貢献を、ステークホルダーに伝えるサスティナビリティブランディングのためのWEBメディアです。

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