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マイケル・ポーター教授「CSV(共通価値の創造)」とは

SDGs

昨今CSVという概念がCSRやサスティナビリティの分野で大きな関心を集めています。
米ハーバード大学マイケル・ポーター教授が提唱したCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)は営利企業が社会ニーズ(社会課題の解決)に対応することで経済的価値と社会的価値をともに創造しようとするアプローチです。

マイケル・ポーター教授(ハーバード大学)とは企業戦略の大家であり、アメリカを中心に世界各地で多くの国や政府、および企業の戦略アドバイザーを務め、”ファイブフォース分析”や”バリュー・チェーン”など数多くの競争戦略手法を提唱しています。

Creating Shared Valueとはいったいどういう意味なのでしょうか。
「Creating」はクリエイティングは価値創造、
「Shared」は経済的価値と社会的価値を共有すること、
「Value」は費用対効果の意味です。

経済性と社会性を両立させることでブルーオーシャン領域(競争相手のいない市場)を開拓することができるのです。

インターネットにより情報や物が溢れている現代、同じような機能の商品を比較するとしたら、価格しか選択肢がありません。
その先は終わりの見えない価格競争に陥ることになるでしょう。

価格以外に消費者が商品を選ぶ要素となるのがブランドです。
同じような機能・同じような価格の商品でしたらより良いイメージを抱いている企業の商品を消費者は選びます。

消費者と共通価値を創造し、競合他社との差別化を図ることが、ブルーオーシャン領域構築につながるのです。

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SDGsの普及により今注目の「CSV経営」とは

CSV企業3つ事例

1.スーパーの中にそびえたつ畑?! 垂直農場「Aerofarms」
『Global SDG Award』の2018年度において、ゴール2「飢餓をゼロに」の達成に貢献する最優秀事業として選ばれたのが、アメリカの企業AeroFarms(エアロファーム)による垂直農業です。
AeroFarmsでは巨大な植物プランターを縦方向にいくつも積み上げ、従来の畑作よりも使用する水と農薬を95%カットしながらも約390倍の生産性を得られる画期的なシステムを採用しています。
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スーパーの中にそびえたつ畑?! 垂直農場「Aerofarms」

2.大量の水を転がして運ぶ「hippo roller」
アフリカやアジアでは数億人が安全な水を得るために、毎日自宅から何kmも先にある給水地までの道のりを、20kgもあるバケツを頭の上や肩にのせて数往復しています。その労働をしているのは女性や子どもが多く、身体を壊してしまうこともよくあるそうです。
見た目はグラウンドの整備に使う整地ローラーのようなシンプルなデザインで、ローラー部分に90リットルまで水を入れることができ、ハンドルを押してローラーを転がせば水を運べるというものです。
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大量の水を転がして運ぶ「hippo roller」

3.乗り捨て可能なシェア電動キックボード「Bird」
先進国の都市部には人が集中しがちで、自動車の排出ガスによる大気汚染や交通渋滞・騒音などさまざまな交通問題が発生しており、各国がその対策に頭を悩ませています。
2017年9月にアメリカの「Bird」という企業が、電動キックボードのシェアリング事業をはじめました。手軽に利用できてどこでも乗り捨てが可能なドックレスサービスが好評で、創業から数年で北米・ヨーロッパなど120都市近くに普及するヒット商品となっています。
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乗り捨て可能なシェア電動キックボード「Bird」

持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標に取り組む17の企業

大企業のCSV活動も活発化してきています。下記17の企業をご紹介します。

1. 貧困をなくす(あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる) Visaは、サービスが行き届いていない人たちに金融サービスを提供。

2. 飢餓をゼロに(飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する) General Millsは、ローカルのフードバンクに食料を提供。

3. 人々に保健と福祉を(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する) Kaiser Permanenteは、健康的なコミュニティに投資。

4. 質の高い教育をみんなに(すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する) LEGOは、子どもの遊び、学習、創造のために基金を設立。

5. ジェンダーの平等(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う) Participant Mediaは、世界中の生徒たちにマララさんの活動を紹介。

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持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標に取り組む17の企業

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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