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企業ブランディングとは 愛される企業ブランド構築のためのプロセス

ブランディング

「ブランディングとは何ですか?」という質問に対し、具体的に答えられる方は少ないのではないでしょうか。ここでは、曖昧模糊としたその定義をわかりやすく説明していきたいと思います。

ブランディングとは、企業活動や商品・サービスを通して、ユーザーが持つ「共通価値(共通のイメージ)」を創造していくことを意味します。 企業や商品・サービスに共通の良いイメージをもってもらうために、様々な活動やメッセージやコンテンツを通してユーザーに共通の価値観を形成してもらう行為を指します。

一言でブランディングといってもその対象は様々です。なぜなら企業活動には様々なステークホルダー(利害関係者)が関わるからです。そこで、ここではそれぞれのステークホルダーに対するブランディングの種類をご紹介します。

目次
1. ブランディングの種類
2. ブランディングの目的は?
3. ブランディング、マーケティング、プロモーションの違い
4. コーポレートアイデンティティで築く企業ブランディング
5. まずは社内から インナーブランディングの重要性
6. アウターブランディングで企業ブランドを浸透
7. 採用ブランディングで優秀な人材獲得
8. まとめ

1.ブランディングの種類

企業にはステークホルダーという様々な利害関係者が関わっており、それぞれに対してブランディングを行う必要があります。 ブランディングの種類には下記のものがあります。

●コーポレート(企業)ブランディング
企業理念やビジョン、アイデンティティに則した企業のそのもののブランディングです。ステークホルダー全体に発信するため、すべてのブランディングの軸となる重要なものです。

●インナーブランディング
企業理念や企業文化の浸透、従業員のモチベーションや働きがいアップなどを目的とした社内向けのブランディングです。

●アウターブランディング
一般的にブランディングのイメージが一番強いのが商品ブランディングではないでしょうか。商品・サービスの認知拡大やイメージを伝えるためのブランディングです。

●採用ブランディング
新卒や中途の求職者に向けて企業イメージを伝えるためのブランディングです。学生は企業のサスティナビリティやSDGsの取組みに興味を持っているため、コーポレートブランディングと似ているところもあります。

2.ブランディングの目的は?

ブランディングの目的は、企業のアイデンティティ(独自性)を明確化し、そのアイデンティティが生み出す価値に対して共感してくれる人に企業のファンになってもらうことです。

企業はつねにステークホルダーと共にあります。ステークホルダーとの共感を醸成し、ファンをより多く増やすことができた企業がブランディングに成功している企業といえるでしょう。 ステークホルダーとは、企業と関わりのある全ての組織・人のことを指し、株主・経営者・従業員・顧客・取引先・地域社会などが挙げられます。

ブランディングとは「企業独自のアイデンティティをステークホルダーに共感してもらい、ファンになってもらう」という、一連のプロセスのことです。

ではどのようにすれば、「企業独自のアイデンティティをステークホルダーに共感してもらい、ファンになってもらう」ことができるでしょうか。 順を追って説明していきます。

3.ブランディング、マーケティング、プロモーションの違い

ブランディングを始める前に、この3つの施策の違いをハッキリさせておく必要があります。ブランディング、マーケティング、プロモーションは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

ブランディングは企業アイデンティティ(CI)を明確化し、共感者(ファン)を増やすプロセスのことです。

マーケティングは商品を売るための施策です。ターゲットを想定し、価格を考え、製造数を決める。売るための行動をマーケティングと呼びます。

プロモーションは販売促進のことをいいます。販売促進にはオンラインとオフラインの2種類があり、オンラインはWEB上で行われるマーケティング手段です。オフラインは対面や紙媒体で行われるマーケティング手段です。 オンラインチャネルはメール・SNS・WEB広告などです。オフラインチャネルにはダイレクトメール・ポスティング・無料セミナーなどがあります。これらは商品・サービスを販売をするための施策になります。

4.コーポレートアイデンティティで築くコーポレートブランディング

コーポレートブランディングはコーポレートアイデンティティを軸に築いていきます。コーポレートアイデンティティとはCIと略されます。 CIは一言で言うと、企業の独自性の表現です。その企業が何者であるか、企業文化・ビジョン・ミッション・行動規範・ロゴ・SNSなどを通じて作り上げる企業のアイデンティティ(個性)のことです。

コーポレートブランディングはこの企業の個性に基づき、構築していく必要があります。なぜならアイデンティティのないブランディングは差別化がしにくいものとなり、ユーザーに記憶してもらうことも難しくなるからです。

コーポレートブランディングは全てのブランディングの基軸となるものです。 コーポレートアイデンティティと同時に考えてもらえると企業の個性が表現できステークホルダーのエンゲージメントは向上するでしょう。

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5.まずは社内から インナーブランディングの重要性

企業とは社員そのものです。社員一人一人の行動や対応が社会に与えるイメージと影響は非常に大きなものであるといえます。 実際に顧客と日々接しているのは社員です。取引先、投資家、行政、地域社会、求職者などすべてのステークホルダーと接している社員のインナーブランディングとは企業にとって非常に重要なものとなります。社員が企業アイデンティティを理解して、企業活動を行えるようにインナーブランディングを行いましょう。
インナーブランディングでは、顧客志向、モチベーション、顧客満足度、ブランド価値、愛社精神の向上などが期待できます。

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6.アウターブランディングで企業ブランドを浸透

アウターブランディングとは、消費者・顧客・取引先などの社外の方に向けたブランド戦略です。企業の収益に直結しやすいため、行っている企業は非常に多くあります。コーポレートやインナーブランディングの効果はアウターブランディングに大きく影響を与えるでしょう。

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7.採用ブランディングで優秀な人材獲得

採用ブランディングは優秀な人材を採用するために必要なブランド戦略です。 コーポレートブランディングと密接に関係しているのが採用ブランディングです。学生は企業のサスティナビリティやSDGsの取り組みに高い関心を持っているため、企業ブランドを上手に学生に伝えることで優秀な学生の採用が可能になります。

8.まとめ

すべてのブランディングの基軸は“コーポレート(企業)ブランディング”です。コーポレートアイデンティティ(企業の個性)をステークホルダーの興味・関心に合わせて伝え続け、ファンを増やしていくことが企業のサスティナビリティに繋がっていくのです。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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