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ブランド価値とは10の価値から出来上がる総合価値

ブランディング

「そもそもブランド価値とは何なのか?」 「誰が何を評価するとブランド価値が上がるのか?」 「何のためにブランド価値を上げる必要があるのか?」

上記のような質問をされて明確に答えられる人はいるでしょうか。 一言でブランド価値といっても、評価は人それぞれです。

そこで、この記事ではブランド価値を10に分類してわかりやすく説明していきます。 ブランド価値とは10の価値評価による総合評価なのです。

1.価格によるブランド価値

最もわかりやすいブランド価値は商品・サービス価格です。商品やサービスを購入する際、消費者がまず考えるポイントは、価格による評価です。何事にも予算がついて回るため、予算は関係ない、いくらでも構わないと言える人はあまりいないのではないでしょうか。
通常はまずは価格ありきで、その後品質などの評価を加えていきます。
ご自身の体験から考えれば皆様お分かりになると思います。

2.品質によるブランド価値

価格と品質について、消費者はセットで考えることが多いでしょう。安かろう悪かろうという言葉がありますが、価格が安くても品質が伴っていない商品・サービスは選ばれる機会を失うことになります。品質がブランドに与えるイメージは大きいと言えます。インターネットにあふれる口コミはこの品質について語られているものが数多く見受けられます。逆に良い品質の製品は少し高い価格でも仕方がないという心境になり、価格が高くても受け入れられる傾向にあります。しかし近年では、コモディティ化が進んでおり、品質の面ではどの商品・サービスも大きな差はなくなってきています。

3.性能によるブランド価値

性能による評価もブランド価値に大きな影響を与えます。Aの商品には付いている機能がBの商品には付いていない……家電などではよくある事だと思います。最近の製品は多機能なものが多く、消費者は多くの場合、性能比較をしてから購入をします。そのため、インターネットには比較サイトが散見されます。
最近では性能に関してもコモディティ化が進んでおり、大概の製品が同じ機能を有しています。大きな機能の差がある商品・サービスはなくなってきています。

4.利便性によるブランド価値

利便性の代表事例として携帯性能が言えるでしょう。携帯性能に優れる製品といえばスマートフォンがわかりやすいでしょう。今ではお財布さえもいらない時代が近づいています。いうまでもないですが、携帯性能におけるここ10年の進化は目覚ましく、10年前の世界とは全く違います。
スマートフォンひとつで代用できるものは、お財布、ウォークマン、接続コード(現在はブルートゥース)、本、紙の書類、カメラ、地図などなど枚挙にいとまがありません。車の助手席で地図を読んでいた時代がはるか昔のことのように感じます。

5.希少性によるブランド価値

希少性とはコモディティ化の逆の意味合いがあります。コモディティ化により希少性のあるものが減ってきている現代、希少性は大きなブランド価値を生み出すでしょう。現在はECサイトが活況の世の中で、どこにいても何でも手に入るのが常識的になってきています。そのため、少量生産のため一部の人しか手に入らない限定商品・サービス、現地に赴かなくては手に入らない物のブランド価値は上がります。自分にしか、自社にしかできない商品・サービスは消費者にとって非常に魅力的です。

6.デザインによるブランド価値

デザインによるブランド価値向上は重要です。下記で説明しますが、自己実現によるブランド価値と密接に結びつきます。人間の五感による判断情報は8割が視覚といわれています。 まずは視覚に訴えるデザインでブランド価値の向上を目指すことが大事でしょう。

7.体験によるブランド価値

店舗での顧客体験はブランド価値にとって重要です。店舗スタッフにブランドのアイデンティティがしっかりと伝わっていないとブランド価値を棄損することになります。大げさな例になりますが、プレミアムな価格の商品・サービスを購入しに行ったとき、対応スタッフがやる気のない、またはブランドのイメージとはかけ離れたスタッフだとしたらどうでしょうか。購入する気がなくなりますよね。逆にブランドのイメージふさわしく・気の利くサービスができるスタッフだとブランド価値は向上します。ブランド価値は店舗での体験も含めた価値だと言うことです。

8.自己実現によるブランド価値

消費者はブランド価値を無意識に大事に思っています。なぜなら自己ブランディングに繋がるからです。例えとしてiPhoneがわかりやすいでしょう。品質や機能はAndroidと変わりませんし、価格に関して言うならiPhoneはAndroidより高価なものになります。しかしなぜiPhoneユーザーはこれほどに多いのでしょうか。Appleのユーザーは製品はもちろん、企業自体の熱烈なファンが多いからです。Appleのアイデンティティに共感し、自己ブランディングとして利用しているのでしょう。

9.社会実現によるブランド価値

マズローの欲求段階説の4段階目「承認欲求」、5段階目「自己実現欲求」は有名だと思いますが、さらにその上に6段階目があります。「自己超越」です。自分だけの利益を求めるのではなく、純粋に国やコミュニティの為に何らかの目的を達成しようという欲求です。この自己超越は昨今話題のSDGsに通ずるものがあります。物や情報に満たされた現代、全世界が地球のサスティナビリティを深く考えています。自分たちの子供のためにいかに持続可能性のある世の中を作れるのか。とても大切な事だと思います。地球には存続の解決しなければならない課題が山積みだからです。

10.企業文化によるブランド価値

9.の社会実現に通ずるものが10.の企業文化です。社会のサスティナビリティは企業の力なくしては成り立ちません。国や民間(NPO・NGO)の力だけでは課題の解決スピードが追い付かないのです。企業が世の中に与える影響は計り知れません。しかし企業の経営は経済活動によって成り立ちます。地球にとっては企業の社会貢献と経済活動の両立が不可欠なのです。

地球の全人類は今、企業のサスティナビリティ経営に大きな期待を寄せています。この対応は、企業のブランド価値の向上に大きな影響を与えるでしょう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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