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野生生物40年で平均68%減少! 生物多様性と資源枯渇の危機

SDGs

SDGsが目指す大きな達成目標の一つは、人口爆発に伴う食糧危機の回避です。
しかし、その目標達成が非常に深刻であることを如実に表す一つのデータがあります。
それが野生生物減少の実態です。

世界自然保護基金(WWF)は2020年9月にこの実態を発表しました。なんと世界の野生生物の個体数がわずか40年あまりで平均68%減ったとする報告書を発表したのです。

「弱肉強食の時代」とか「草食男子」などと揶揄されていた時代ははるか昔。
SDGsによる意識改革が進む中で、逆にその実態に対する具体的認識が薄れているようにも感じられますが、数字を突き付けられると驚愕の事実に我に返る思いがします。

報告書によると、調査対象とした哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類(はちゅうるい)、両生類4392種あまりで、1970〜2016年にかけて個体数が減少していることがわかっています。これほどの急減は、過去数百万年の間見られなかった現象だということも付け加えられています。

なぜかヨーロッパなどでヴィーガンに転じる人が増えているのも、このような事実を知っている人が増えているからかもしれません。

特に深刻だったのは中南米とカリブ海地域で、野生生物の個体数は平均で94%減ったそうです。
主な要因としては、草原やサバンナ、森林、湿地の生息地が失われたことや、野生生物の乱獲、外来種の導入、気候変動など。アマゾンの消失など、危機感を持って報じられることも多くなりました。

WWFによると、生態系の破壊によって今、動物・植物50万種と昆虫50万種が数十年から数百年のうちに絶滅する危機にさらされているといいます。まさにSDGsのゴール15に直結する話でありながら、気候変動などゴール13とも密接な関係があります。

人間が食糧生産や消費の在り方を変革させ、気候変動問題や自然保護に取り組むといった緊急の対策を実行しなければ大変なことになります。もはやフードロスをなくすことなど、初歩的な対策といえるかもしれません。

そして今ある最大の危機、新型コロナウィルスもこの問題と無縁ではないのです。

人間による自然破壊は、新型コロナウイルスのように動物から人に感染する疾病のリスクももたらすとWWFは指摘します。
WWF米国代表のカーター・ロバーツ氏は、「野生生物がサプライチェーンに長くとどまるほど、野生生物の病気が人間に波及するリスクは高まる。」といいます。今回のようなパンデミックの脅威は、まだ序章に過ぎないとの見方もあります。
野生生物の個体数減少が進むほど、ロシアンルーレットの確率は悪くなるというわけです。

このままでは繰り返されるウイルスの脅威に人類が負けるかもしれません。生物多様性と資源としての「生物」を守ること、ひいては肉食の習慣から徐々に脱却することを我々は求められるでしょう。もはや弱肉強食や肉食男子は、過去の言葉となっていくに違いありません。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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