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持続可能なツーリズムへ、ホテルビジネスがSDGsを主導すべき理由と方法

SDGs

※【注意】新型コロナによる観光業への影響が出る前の記事です。

持続可能なツーリズムは、近年で大きく成長してきました。
ホテルビジネスが国連のSDGs(持続可能な開発目標)からインスピレーションを得て、持続可能なビジネスを展開すべき理由と方法とはどういったものでしょう。

観光産業は、世界のすべての産業の中でもっとも高い成長率を示す1つであり、世界のGDPの10.4%と3億1900万人の雇用(2018年の総雇用の10%)を占めています。
現時点で衰える兆候はなく、2018年には14億人の海外旅行者が記録され(2010年代の9億5080万人から47%増加)、2030年には18億人に増加すると予想されています。
そんな観光業界で大きな役割を果たしているのがホテルビジネスです。

持続可能なツーリズムで重要な役割を果たすホテルビジネス

ホテルの需要は通常、宿泊を希望する観光客の数と目的地の人気に関連しています。
したがって、地域の観光需要が高まるとホテルの需要が高まり、不動産業者やホテル会社が人気のある目的地に殺到します。
ホテル、観光、地域社会はシンボル的に交わっており、物理的な近さから必然的に協力関係になります。

このため、持続可能な観光と倫理的なホテル開発(社会的、文化的、経済的要因など)は、文化の長期保存とホストコミュニティの社会経済的安定の両方にとって不可欠な要素になります。
これを考慮すると、ホテルは実行可能な運用を確立し、持続可能な行動について観光客を教育する上で重要な役割を果たします。

観光客は、持続可能な目的地を求める傾向が強まっています。
持続可能性の社会問題化が進み、情報がより透明になるにつれて観光客はホテルでの持続可能な慣行をより意識するようになっています。

Booking.comの2019 Sustainable Travel Reportによると、世界の観光客の70%は環境にやさしい宿泊施設を予約する可能性が高いとし、55%が1年前より持続可能性の高い選択をしています。

持続可能性は、特定のリソースを保護するためのイニシアチブを示す多面的な用語です。
持続可能性に取り組むには、人間、社会、経済、環境という4つの主要な柱に取り組む必要があります。
持続可能性は、グローバルかつ複数の利害関係者の努力でなければならないため、国連(UN)は、「すべての人にとってより良い、より持続可能な未来を達成するための青写真」として2015年にSDGsを開始しました。
17の目標は、「貧困、不平等、気候、環境悪化、繁栄、平和と正義に関連する、私たちが直面する世界的な課題に取り組むこと」を目的としています。

SDGsがホテルの主要な業務内容(ハウスキーピング、販売およびマーケティング、クライアントサービスなど)を区分化するためのガイドラインとして機能するため、ホテルは以下のように現在の慣行を調整できます。

1. 識別とコミット:SDGsに影響を与える方法で、主要な業務内容の領域を識別する

2. 調整:SDGsをホテル戦略と優先順位に調整することで、利害関係者(フランチャズ加盟者、従業員、顧客など)との関連性を与える

3. ターゲットとKPIの設定:特定のSDGに関連する、新しい領域に対処するための新しいKPIを作成する。
または、ホテルは既存のKPIに新しい要素を追加でき、これらのKPIは進捗状況を監視および伝達するための鍵となる

4. コーポレート戦略の見直し:それぞれの部門の現在の慣行が、どのようにSDGsに追随できるか評価する

5. 測定、評価、報告、コミュニケーション:
・収集した定量的データを測定する
・可能な改善のためにデータを評価する
・パフォーマンスを報告し、設定された目標およびKPIと比較する
・この取り組みについてブランドや顧客とコミュニケーションをとる

ホテルビジネスがSDGsを採用する効果

成長を促す:ビジネスの成長は、マクロレベルでSDGsの達成と結びついています。
企業は従業員をサポートするために、すべての部門からの強靭性と信頼性が高く、教育を受けた健康的な労働力を必要としています。
サービス業では、従業員が全体的なゲストエクスペリエンスに貢献するために重要な役割を果たしているため、企業が長期的に成長を促進するために地域レベルで行動を起こすことが重要です。

リスクへの対処:安定した市場を構築することは、投資に伴うリスクが少ないことを意味します。
各SDGsは、ビジネスと社会に挑戦するリスク領域を表しています。
したがって、長期的な管理契約を結んでいるサービス業界の資産重視の世界では、安定した環境の構築がホテル投資家と管理会社にとって低リスク環境で運営できるメリットになり、そんな安定したライフスタイルから地域社会が利益を得るメリットでもあります。

報われる努力:持続可能性への移行の初期段階では資金が必要ですが、徐々にリターンを得られるようになり、それは長期的に継続されます。
その他にもさまざまな効果が期待できるため、企業は関連するSDGsに真剣に取り組む必要があるのです。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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