Niveaのブランド進化:時間と市場の試練に立ち向かう
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これはブランドにも当てはまります。ただし、ブランドの進化をリブランディングと混同しないでください。
リブランディングは、ブランドが進化する上で必要な手段の一つで、新たなロゴのデザインなどがそれに当たります。
また、ブランドの見た目や感じ方の刷新、オーディエンスとの関わり方の見直しなどもそうです。進化はリブランディングより壮大で重要な進歩であり、ブランドが経験する大きな変化の前触れです。
今回は、Niveaのブランド進化について見ていきます。
ブランドの進化-戦略指向の実践
それは、時代の変化やコンシューマーのニーズや好みの変化と同期していることを意味します。
Emotive Brandによると、ブランドの進化とは新世代のユーザー、新しいオーディエンスや消費者セグメント、または新製品の追加のためにブランドを進化させることを意味します。
約100年の歴史を誇るCoca ColaやGE(General Electric)、Niveaのようなブランドは、時間の試練を克服してきました。
これらは世代を超えて進化し、依然として市場での関連性を維持しながら減速の兆候を示さないブランドの完璧な例です。
そのようなブランドは、追い風や向かい風をものともせず、どのように今の地位を確立してきたのでしょう。
時が経つにつれて、ブランドは国内および国際市場の新世代をターゲットにする戦略を慎重に進めることで進化します。
そのためには、現世代の美意識、好み、地理的ロケーション、気候、競合他社の分析に関する徹底的な調査と理解が不可欠です。
また、調査結果に基づき、ブランドの関連性と魅力を高めるよう努めます。
60年か70年前、コールドクリームの使用といえば、外出や寝る前だけでした。その世代の女性たちは、パーソナルケア製品に関してはブランドの選択肢は限られていました。
必要なのはコールドクリーム、それに続く石鹸程度でした。
その時代と比べ今の美容習慣は、スクラブ、ピールオフマスク、美容液、フェイシャルオイルなどが不可欠で当時はまるで美容界の石器時代かのようです。
ブランドの進化を理解するためのケーススタディ
進化において重視するのが、製品が消費者にもたらす価値の観点です。
Niveaの製品ラインは、スチール製の円形インディゴボックスで販売されているクラシックなコールドクリームから大きく進歩しました。
Niveaのクラシックなコールドクリームは、その豊かでクリーミーかつ潤いのある触感と結果を考えると、暑い気候に住む消費者には魅力的ではないかもしれません。
第二に、消費者は自分の見た目をより意識しています。見た目や匂い、他人からどのように認識されるかが非常に重要です。
そんな消費者はNiveaを拒否し、他のブランドを求めました。消費者行動の傾向を念頭に置いて、Niveaは多くの水分を必要としない脂性肌の質感で消費者にアピールする「ライト保湿液」など、いくつかの種類のコールドクリームを発売しました。
他にも、「美白保湿液」、「UV・細胞リペア保湿液」など、より美しい肌や若く見られたいと望む消費者をターゲットにしています。
Niveaがクラシックなコールドクリームにこだわり続けていたら、歴史上のブランドとして消えていたでしょう。
しかし、Niveaは消費者に共感することを選びました。
消費者の欲求を知ることで多くを学び、ニーズを満たすことで急速に変化する市場で関連性を保ち続けることができたのです。
ブランドの進化は、ブランドへの信頼を維持します。
ブランドが次々に誕生する市場では、進化がとても重要になります。ブランドの進化の時期だと思うときは、リブランディングだけに集中してはいけません。
Niveaのブランド進化は、意味のあるブランド行動に基づいて機能しとおり、深い洞察に満ちています。
何より重要なのは、新鮮な視点や善意、柔軟性を持って変化する消費者ニーズに答え続けることなのです。
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