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企業文化を通じたブランドビルディング

ブランディング

結局のところコンテンツマーケティングとは、ブランドを育てることに尽きる。そして企業文化は、その活動をサポートする役目を負う。
ブランドは、企業が提供する製品やサービスとの直接的な関係性は比較的小さく、企業の存在が何であるかを表している。

米高級百貨店ノードストロームといえば、取り扱うファッションブランドで有名なのか?
もしくは、最高レベルのカスタマーサービスで有名なのか?
人々はホールフーズ・マーケットへ、一般的なスーパーにもあるアニーのマカロニ & チーズを買いに行くのか?
もしくは、社会的責任の高い企業との関りを求めて行くのだろうか?
以上の2つのブランドは、企業文化を通じたブランドビルディングに成功している。

企業文化はブランドビルディングにおいて、最高のマーケティング価値を提供する。
それが正しく実施されれば、企業のプロセス、手順、活動をマーケティングツールとして利用できる。
企業の日々の活動に支障なく、また特別な仕事を増やすことなく効果的なマーケティングを実施できるのだ。

プレミアムブランドを作るためには、まず企業のプレミアムカルチャーを築かなければならない。
そんな成功ブランドは、ビジネスの理念を信じる個人や、複数人が集まったグループによる起業から始まる。
企業内で理念が共有され、じきに文化が育つ。
育った企業文化は世間に認知され、ブランドの個性として自然と広がることになる。

例えばChipotleは、ファストフードのイメージを変えることに成功している。
ファストフード産業の企業は、社会的責任で認知されることは少なかった。しかしChipotleは、そうあるべきと主張し実践してきた。
ホームページやABCの番組Nightlineの動画では、スローガン「Food with Integrity(誠実な食品)」が掲げられる。そんな核心価値は、「Responsibly Raising the Bar(責任が基準を高める)」「Cultivating a Better World(より良い世界を目指す)」と呼応し、社会的責任企業としての地位を高めている。

Chipotleは企業文化を活かしたスマートなブランディングに成功しているが、決して他の企業が真似できない特別なことをしているわけではない。
それでも、成功する一部の企業とそうでない多くの企業を分けているのが、核心価値を単なるリップサービスに終わらせているかどうかだ。
成功している企業は、文字通りすべての活動や決定を核心価値に基づいて実践している。
世間から評価される企業文化が育つかどうかは、そんな徹底した企業理念としての価値を貫くことができるかにかかっている。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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