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大学ブランディング:大学の入学生を増やすためのブランディングとは

ブランディング

一昔前の大学は、強力なブランドを必要としなかった。それが現在では、ファンディング、知名度アップ、優秀な学生獲得の市場として競争が激しくなり、もはや欠かせないツールになった。

Inside Higher EdとGallupの調査では、2017年に入学者数の目標をクリアした大学は34%にとどまっている。
2015年は42%、2016年は37%と年々達成率は減少している。
近年の入学者減少にCovid-19が追い打ちをかけられたことからも、ブランディングに焦点を当てる大学が増え始めている。現時点で、大学運営者の85%が短期間の学生の減少率の加速を懸念しており、88%はCovid-19の絵強による将来的な入学者の減少を減少を懸念している。

強力なブランドとメッセージは入学者を増やすために必要な戦略だが、現在のアプローチでは思うような成果が出ないのは仕方がない。
学生の定着率を向上させるため、どのように大学がより強力なブランドを確立しメッセージを発信すべきかのヒントを提示したい。

1. あらゆるグループからブランド認知データを収集する

大学には、キャンパスの隅々にステークホルダーが散らばっている。
1つのグループだけに焦点を当てると、優れたマーケティング機会を見逃してしまう。ブランドを確立し大多数からアクセスを集めるためには、キャンパスのあらゆる側面からブランド認知データを収集する必要がある。一般的に大学は、以下のグループに分けられる。

・ 現在および将来の学生(およびその両親)
・ 同窓生
・ 教員(現在および退職者)
・ 管理スタッフ
・ 企業パートナー
・ 研究資金源
・ コミュニティのメンバーとリーダー
・ 地元のメディア、非営利団体、企業
・ 大学ベンダー

2. 学生のペルソナを特定する

大学ブランドに関する認識データを収集したら、学生のペルソナの調査を始めよう。
ペルソナの開発によりブランド決定の一般化を妨げるため、大学ブランディング戦略の要となる重要なパートとなる。また確立されたペルソナにより、将来の学生がどのような大学ブランドを求めているのかを特定の態度、懸念、基準から認識するのに役立つ。適切なペルソナを確立する手順は以下の通りだ。

・ 学生全体をグループに分ける
例えば現役生と復学者の分類

・ 各グループの類似点を特定する
彼らの動機、目標、懸念に焦点を当てる

・ 想定を固める
グループの調査を開始して、グループの欲求とニーズに対する洞察を得る。例えば、復学した帰国した成人学生は、最近の高校生と同じように社会的なつながりに興味を持っていることが分かる。

これらのペルソナを確立することにより、他の競合大学が採用に活用している現在のトレンドについての洞察を得られる。

3. ユニークな特性を認識する

学生のペルソナを得られたら、それらの中からユニークな特性を探し出そう。学生のニッチ、ロケーション、歴史を考えることから始める。

学生のニッチ:大学が特定の学生ニッチに対応している場合、ブランドアイデンティティの強みになる。例えば、高い割合のパートタイム学生、成人学生、留学生がいる場合は同じグループの学生を引き付ける可能性がある。

ロケーション:学生のニッチとともに、ロケーションは大学の大きな魅力の一つだ。これにフォーカスし過ぎる必要はないが、大学のブランドの全体的な雰囲気を促進するのに役立つ。

歴史:ほとんどの大学にとって、歴史はそのアイデンティティの重要なパートになる。例え設立間もない大学だとしても、設立にいたるバックグラウンドはブランドのアイデンティティにおいて依然として重要な役割を果たす。

大学ブランドは、入学者数増加のカギとなる。ブランドが学生を引き付けるため、入学者が減少している期間中は特に、大学ブランドがしっかりしていて魅力的であることがこれまで以上に重要になるだろう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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