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アフターコロナで変わる6つの広告手法

ブランディング

コロナウイルスの危機により、消費者の行動が変化する可能性があります。ヨーロッパの動向において、Hanef Weissensteiner、MP、Artefact DACHは、これが広告業界にどのように影響するかを予測しています。

広告主にとって、コロナウイルスの影響は長期に及びます。現在、多くのマーケティングは、消費者が見なくなったか、またはブランドがそのような不安定な環境ではお金を使うことができないほど不安がっているか、どちらかの状態であると言えます。FacebookとGoogleはすでにコロナウイルスのために440 億ドル以上の広告収入を失う可能性があると発表しました。

実際、大多数のブランドが再び広告支出を開始するとしても、世界は今までとは違います。
コロナ危機はすでに消費者の行動を大きく変化させており、人々がテクノロジー、eコマース、ライブストリーミング、eラーニング、ゲーム、オンライン食料品のなど、購入の仕方を変えられています。

しかし、収益の損失を嘆くのではなく、何が起こったのかを学び、この機会に今後どう対応するかを考えることが重要です。
デジタルの世界は確実に経済回復に貢献するので、企業はその準備ができていなければなりません。そのためアフターコロナで予測される6つのことを以下に示します。

1.広告はハイブリッド作業に変更される

広告においてインハウスはここ数年の最大のトレンドの一つであり、企業はチームの構築を成功させるためのコンサルタント業にますます注目しています。

誤解しないでください。企業には引き続き社内の専門家が必要です(まだ専門家がいない場合でも、この変更をできるだけ早く行うためのコンサルタントが必要です)。しかし、危機が教えてくれたことの一つは広告主は代理店と連携する際に経済の変化に柔軟に対応できること。
パートナー代理店によって実行されている広告活動を停止することは、カスタマイズされた社内代理店をシャットダウンするよりもはるかに簡単です。

私の予測としては、アフターコロナでは広告は依然として成長し続けますが、企業は代理店とさらに協力します。
ハイブリッドモデル(サービスプロバイダーと調整、協力する社内の専門家)が成長し、進化します。

2.従来のマーケティングは最終的にはなくなる

コロナウイルスの危機は多くの国に信じられない速さで影響を与え、消費者の生活や広告主のマーケティング活動を一夜にして混乱させました。
キャンペーンはキャンセルされ、イベントは破棄され、発売は延期されました。

しかし、企業はデジタルキャンペーンをリアルタイムで適応させることができましたが、面倒な従来のキャンペーンは行なえませんでした。
しかし事前に契約された印刷物およびTV広告は何も変わっていないように展開され、貴重な時間とお金を浪費しています。

たとえば、最新のジェームズボンド映画である「No Time to Die」のリリースを延期するというMGMスタジオの決定は、意味のない費用がメディアドルで3000万〜5000万かかると報告されています。この金額はすでに支払われました。
逆に、オンラインでは、企業は自宅待機にライブストリーム、ポッドキャスト、ウェビナー、さらにはVR体験などの独創的なアイデアに反応して顧客と連絡を取り合うことで、俊敏に行動することができました。Disneyは、英国とヨーロッパでのDisney +ストリーミングサービスの立ち上げを、当初計画されていた立ち上げ日よりも早めに進めて、家で自粛している人々を楽しませることができました。

懐古主義者は、企業ブランド構築にとって伝統的なマーケティングがいかに重要であるかについてよく話しますが、コロナウイルス危機への対応は、デジタルがその役割を果たし、より安く、より速く、より良いことを証明しています。

この危機が終われば、企業は予算をますますデジタルマーケティングに切り替えるでしょう。多くの人がデジタルプレゼンスを更新し、新しいデジタルビジネスモデルが進化し、特定のターゲットグループに合わせてオンラインで調整されます。

3.データはすべての中心となる

「データを十分分析すると、答えを得ることができます」(Ronald Coase)。これは、データがすべての中心にある広告業界で特に当てはまります。 だから、ぜひ分析を始めましょう!

データを正しく解釈することは、顧客を理解し、その行動を理解することを意味します。それよりも重要なことは何もありません。
特に、行動の変化が現在と同じくらい速く起こる危機のときは。データは、既存および将来の顧客の詳細な理解を深めるのに役立ち、競争力を大幅に高めます。

企業は、(潜在的な)顧客の行動に基づいてマーケティング活動とコミュニケーションをどのように移行すべきかを学び、それを裏付けるデータに基づいて、マーケティングを行う必要があります。

彼らは外部の状況に迅速に対応し、短期的にも長期的にも重要な目標への支出を最適化する必要があります。データ駆動型でない企業には、これは不可能です。

4.より多くのブランドが変革プロジェクトを促進中

繰り返しますが、コロナ危機が終われば、広告主はよりデータ主導でテクノロジーに焦点を当てるようになるでしょう。
ここでは少し広告技術を試してみたり、MVPを試してみたりすることについて言っているのではありません。全責任を必要とする長期的な変革について話しているのです。
ITとマーケティングの戦いのような逆効果的な政治ゲームは必要ありません。企業はむしろ全員からの賛同が必要なのです。

アフターコロナでは、企業が変革を成功させるためのフレームワークを構築しました。
「データ駆動型」の小さなプロジェクトから、将来に向けてビジネスを準備する実際の変革プロジェクトへとステップアップするのは簡単ではありませんが、早い段階から始めるのが良いでしょう。
早くにこのプロセスを開始したブランドは、準備ができていなかったブランドよりも、この苦境からの脱出が容易であると言っても過言ではありません。

5.ブランドは、真の顧客を大切にすることを強制される

現在、多くの消費者は、選択の有無にかかわらず、社会的距離を置いています。
彼らは隔離され、在宅ワークをしている、または仕事に飽きています。彼らは外出できないので、いつもよりもっと企業からの連絡を切望しているでしょう。
そして、彼らは渇望を満たすためにオンラインに向かいます。たとえば、コロナウイルス問題発生以来、FacebookはFacebook Messengerを使用したビデオ通話が70%増加したと報告しています。

ソーシャルメディアチャネルは、ブランドが消費者やコミュニティとつながるために常に驚異的なチャネルでした。
現時点では、ブランドはこれらのチャネルを賢く使用し、危機の時にコミュニティを支援する必要があります。ブランドは不安に対し、良いことをするか、娯楽を提供することによって顧客をサポートする必要があります。

たとえばジーンズメーカーのLevisは、Instagram Liveで毎日オンラインコンサートを開始することにより、自粛生活をしているファンを楽しませるために迅速に行動しました。毎日午後5時1分に、Levisは、Snoop Dogg、DaniLeigh、Kali Uchisなどのブランドアンバサダーの一人からライブパフォーマンスをストリーミング配信しています。

これは、柔軟性とマーケティングのデジタル面の重要性に戻ります。
マーケティング支出は、購入する製品のマーケティングだけではありません。
コミュニティを構築し、顧客の世話をすることです。メッセージングによるこの種の俊敏性は、従来のマーケティングではやはり困難です。
ブランドは、顧客のニーズがどのように変化しているかを理解して対処する必要があります。

コロナ危機後も、広告主はソーシャルメディアやコミュニティ構築のために予算を増やし続けます。より多くのお金がテレビからデジタルチャンネルにシフトされます。

6.ブランドはその社会的責任を再考する必要がある

コロナウイルスが教えてくれたことがあるとすれば、私たちは皆、お互いに気を配り、社会のために共に行動する必要があるということです。
病院の最前線にいるときでも、スーパーマーケットの棚に補充するときでも、家にいるときでも、私たちは社会的な距離を空けてにいます。
私たち全員が果たすべき役割と、社会の利益になることを行う責任があります。

広告主も果たすべき役割があります。彼らはコミュニティや消費者と直接接触するというユニークな立場にあります。
彼らはこの力を使用して、消費者の変化するニーズと懸念に対処し、真実とプラスの影響の源となる必要があります。
この課題に直面したブランドの一つに、英国のモバイルネットワークEEがあります。脆弱で障害のある顧客に無料の通話、テキスト、データを提供し、コロナウイルスのロックダウン中に愛する人と連絡を取り合うのに役立ちました。

責任を持って行動しないブランドは、消費者からの反発を受ける可能性があります。
たとえばドイツでは、アディダスは危機の間に家賃を支払うことを拒否したという批判に直面しました。
これは長期的には彼らのブランドの評判を傷つける可能性さえある動きです。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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