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商品PRなしのコンテンツで集客? 見込み客をファンにする企業ブランディングを海外に学ぶ

ブランディング

マーケティングには基本的な戦略が二通りあります。従来のマーケティングとコンテンツ主導のマーケティングです。シンプルにわけていますので、グレーの領域もあることは考慮に入れてください。

ここではこれら2つの異なる戦略に焦点を当てます。従来のマーケティングにはプッシュ戦略が多く、本質的には何か他のものに集中している消費者の興味に割り込んで、あなたの製品・サービスに誘導するものです。この手法は通常、テレビコマーシャル、ラジオ広告、看板などの形式で行われていますが、時代の流れにより、これらの方法を使用して販売を促進することはますます困難になっています。

一方でコンテンツマーケティングは、長年にわたり消費者にリーチし、魅力的なブランドを構築するためのより効果的な方法として浮上しています。
コンテンツマーケティングはプル戦略であり、つまり、教育的で、面白く、魅力的な情報を提供することで、顧客を引き付けます。
これは、消費者があなたを探しているときに利用できるようにすることであり、割り込みベースの手法よりもはるかに成功しています。

コンテンツマーケティング先駆者の手法

海外の大手飲料メーカーにコンテンツマーケティングの先駆者がいます。
彼らのマーケティングアプローチを見ると、コンテンツの世界で成長、革新、適応する能力において卓越しています。彼らの戦略は、人気のある製品の宣伝に重点を置くのではなく、ユーザーの興味のある情報を提供し、ブランド力を高めることに力を入れることで成功をおさめました。

そのWebサイト自体には、自社製品についての直接の言及はありませんが、代わりに、スポーツ、ゲーム、音楽、および対象となる視聴者の注意を引く可能性のあるその他すべてに関連するコンテンツが満載です。
ユーザーは会社名を知る前に、コンテンツとして用意されているビデオを見たり、記事やブログを読むなどして満喫します。
ユーザーがWEBページ上部や下部にあるProducts&Companyに気付くことはまずありませんが、それはポイントではありません。ポイントは、ユーザーがそこにいることを積極的に選択していることであり、それがプル戦略の重要性です。

読者が興味のある記事や動画などを掲載するメディアサイトを作ったにも関わらず、そこで自社の商品の宣伝はほとんど行わないのです。
ユーザーが思わずSNSなどでシェアしたくなり、なおかつ自社のイメージにあわせたコンテンツを掲載することで、企業として製品を宣伝しなくても、ユーザー側が自然と支持してくれるようになるのです。

さらに、同社はコンテンツ主導のマーケティング戦略でもう一つ成功をおさめています。
出版社、通信社、テレビ局などが編集用に使用できる高品質のストック写真とビデオを提供するサイトをつくり、コンテンツのどこかにさりげなく自社ロゴを入れるのです。
そうすることで彼らのブランドは、自分のサイトを積極的に見ている人々に露出されているだけでなく、その素材を使ったニュースを見ている人、その記事を読んでいる誰にでも見られることになるため、リーチは格別です。
同社のコンテンツマーケティング戦略においていかに革新的でユニークであるかを示す顕著な例であり、他社と一線を画しています。

これからの時代に不可欠なコンテンツマーケティング

上記は極端な例ですが、広告などのプッシュ戦略にうんざりしているユーザーに対して、自然な形で触れられるコンテンツマーケティングが受け入れられやすいことは間違いありません。
見込み客が欲しい情報をコンテンツとして提供することで企業のブランディングをはかり、結果的に多くのユーザーに持続的な購買行動を促していくコンテンツマーケティングは、よりWEBへの比重が増えていくこれからの時代に必要不可欠なマーケティング戦略といえるでしょう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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