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ブランド態度を知るためのマーケティングリサーチ

ブランディング

マーケティングリサーチは、価値の高いブランドのインサイトを提供する有効な手段になる。
ブランドのインサイトで重要になるのが、カスタマーのブランド態度だ。カスタマーはブランド体験から、ブランドに対しポジティブ、またはネガティブな認識を持つことで行動に結びつく。
その認識は強固で、そのブランドに対する自分の認識に自信を持つことになる。
つまりカスタマーのブランド態度は、どれだけカスタマーがブランドを好きか、または嫌いか、そしてどれだけその思いが強いかで決まってくる。

カスタマーのブランド態度のリサーチ方法

カスタマーのブランド態度は、カスタマーが自分のフィルターを通してブランドをどのように見ているかを表す。
カスタマーは、ブランドに対する視点をスペクトラムか連続性で見ているが、リッカート尺度で考えたとしても失うものはない。
リッカート尺度の5〜7ポイントは、カスタマーのブランド態度を的確にカバーするマーカーになる。
カスタマーのブランド態度は、良くも悪くも製品の違いに対するカスタマーの意見や認識として表明される。

ブランドマネージャーができること

ブランドマネージメントの基本的な目的は、カスタマーをある連続ポイントから、別のポイントへ移動させることだ。
つまり自然に、その連続性から脱却させることが目標となる。例えば、カスタマーの満足度の回答データを分析しているとき、マーケットのリサーチャーは、スコアレンジの中間あたりの回答者を、どのようにトップボックスをチェックさせるかについて話し合う。

満足度調査のトップボックススコアが意味すること

カスタマーの満足度調査は、リッカート尺度と同じような5段階のレーティング尺度がよく使われる。評価5はとても満足したカスタマーを、評価1は全く満足していないカスタマーを表す。この習慣は、人は数が大きいほど評価が高いと考える傾向があることを意味する。100%を最高スコアとして使っていることと関連した考え方だ。

 次に5段階の評価尺度を使い、質問に対して評価5を選んだグループの“トップボックス”率を出す。
トップボックス率は評価5しかカウントせず、1〜4はトータルスコアに含まない。つまり一人目がブランドのクオリティに対し5の評価をし、二人目が評価3を付けた場合、トップボックス率は50%になる。50%のトップボックス率は、50%のカスタマーがブランドのクオリティに満足したという意味に捉えられる。

トップボックス率の方法は、ポジティブな改善が難しいアグレッシブなスコアリングシステムになる。カスタマーをトップレンジに移動することが難しくなる一方、カスタマーに最善の体験を提供するために一致団結して対応できる傾向にある。

カスタマーのブランド態度のマーケットリサーチは、これまでのブランド活動の正当性と、これからの方向性を示してくれ、マーケッターは必ず押さえておきたい手段になる。
カスタマーのブランドに対する印象を知ることで、会社全体で共通目標に向かって一致団結できるはずだ。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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