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強いブランドを作るためのブランディングとは

ブランディング

顧客があなたの会社の名前を聞いたとき、どのようなイメージを持つかを想像してみましょう。
分からないならまだしも、悪いイメージをもつと考えるなら、今すぐブランドのオーバーホールが必要でしょう。あらゆる産業分野のリーダーたちは、世界一のブランド認知度を得るために日々努力しているといっても過言ではありません。強いブランドを作るためには、次に紹介するのポイントを押さえる必要があります。

1. ブランドを差別化する
ブランディングとは、強力で一貫性のあるメッセージを発信し続ける行為です。見込み客や顧客が会社のウェブサイトを訪問したとき、もしくは製品の広告を見たとき、彼らはあなたのブランドを経験したことになります。競争の激しい製品やサービスを扱っているのであれば、他のブランドより一歩先に進むためには、特にブランドイメージのチューニングが重要になります。

2. 価値を約束する
商品やサービスの差別化に道筋がついたら、コアな見込み客の心をつかむようなブランドメッセージを考えましょう。そのためにはまず、リサーチや市場調査でターゲットとする見込み客の特徴をしっかりと押さえる必要があります。多数の見込み客を対象にメッセージを作ると、一般受けするような当たり障りのないものになりがちです。だから多少癖があっても、コアな見込み客のニーズを満たすような、強烈なメッセージがよいでしょう。メッセージは顧客との約束事です。そして顧客の印象に残るメッセージが、あなたのブランドを差別化します。

3. マーケットリーダーになる
ブランドメッセージを長期にわたり発信し続けることでブランドを確立するとともに、マーケットリーダーとしての地位を得ることに繋がります。リーダーである以上、顧客との約束を守ることが最も重要です。顧客からのクレームに真摯に対応できない企業は、リーダーとしての地位を失うでしょう。今日の顧客は購買に至るまでに慎重になりがちです。常にレビューサイトで製品やサービスの評価をチェックしています。リーダーであり続けるためには、常に顧客満足度の改善を念頭におく必要があるのです。

4. ブランドの一貫性を保つ
顧客がブランドを経験する際は、たとえマーケティングチャネルが違っていても、ブランドメッセージに一貫性がなければなりません。マーケティング媒体間で、矛盾したメッセージが両立していたら顧客は混乱するでしょう。オンラインマーケティングの場合、ウェブサイトやeメールのコンテンツは一貫性のあるブランドメッセージ、ブランドデザインで統一しましょう。

商品の価値に頼り、それを伝えることに重点が置かれた従来のマーケティング

従来のマーケティングでは、商品提供価値を伝えること(プロモーション)と手渡すこと(プレイス)が強調されていましたが、あくまでも商品の価値に頼っていた活動でした。ブランディングでは顧客に価値を伝え、手渡した後の活動にも価値があり、顧客が支払って良いという対価を上げることができるという考え方です。そして、ブランディングで独自の価値を付加できればできるほど「このカテゴリーではこのブランドを選ぶ」という顧客の頭の中の選択順位が高まり、競争関係から開放されることになります。ブランディングとは、この後天的な魅力をどう加えていくのかという活動です。周囲を惹きつける魅力を増すための生き様のようなものと考えると良いでしょう。

企業がつくる価値、顧客がつくる価値のふたつがもたらすブランディング

インターネットの発達によるコミュニケーション領域の広がりが、新たなブランディング創出の方向性をつくり出しているのが、現在の状況といえます。 企業がCMを流したり、イベントを行ったりして商品の認知度を高め、購買へと結びつけるのは、これまで行われてきた販促活動です。これに対して、顧客側が提供するコンテンツが価値をつくる点が現在のブランディングが持つ新しい側面です。

ブランディングにおける「絆」について

ブランディングおける「絆」という単語は、大きく2種類存在することを理解してください。
ブランドの絆(=「ブランドと顧客」のつながり)と、生活の絆(=「顧客と周囲」のつながり)です。この2つは使い分けられています。 ブランディングでの絆は、継続的なブランド利用を見込めるようになるのは、このブランドとの絆の強を意味しています。このブランドとの強い絆を「ブランド・ロイヤリティ」といいます。

絆が導く顧客生涯価値への貢献

顧客生涯価値(Life Time Value=以下LTV)は、ブランディングで使う用語です。
顧客が長期にわたってブランドを購入し続けることで企業が得られる価値のことで、通常は累計利益で示されます。また「最初の購入から1年間」などと期間を区切って、期間中の購入金額(=単価×利益率×頻度)に置き換えて計測するのが普通です。この金額が多ければ多いほど、ビジネスに貢献していると判断されます。顧客生涯価値は主にリピーターに関する指標ともいえます。
ブランドとの絆が強くなれば、ブランド・スイッチする顧客は減り、消費行動に迷いがなくなり優良顧客が増えます。「ブランドの絆」にはスイッチング・コストを高める効果があるのです。

良い絆は企業側では創れないが、促すことはできる

絆が強ければ顧客生涯価値(LTV)は上昇しますが、ブランド価値への顧客満足が高いことが前提となります。
顧客満足をあげる為にはブランド価値自体を高める必要があるので、直接的な広告費や販促費をいくらかけても「良い絆」はできません。
しかし、「ブランドの絆」が強くなるように促すことはできます。特に顧客とのコミュニティを通じた関係などは深く印象に残りますし、ネットを活用することにより、顧客・企業双方の手間や費用を最小限にしてコミュニティを運営できるようになっているからです。 そういった場があれば絆が顕在化しますし、顕在化してくれればコミュニケーションや応対を通じて絆が強める確率が上がることになります。つまり「場つくり」が重要なサポート活動になるのです。ブランディングのコンテンツ提供価値、リレーション提供価値も「良い絆」につながることを視野に入れて構築すると良いでしょう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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