カテゴリー

企業価値を一言で!「タグライン」導入のすすめ

ブランディング

企業のブランディングにおける大事な要素に「タグライン」があります。企業やブランドのロゴマークと一緒に明記されていることが多いメッセージのことで、その企業やブランドの思いや価値を一言で表したものです。

有名な例のひとつとして、コスモ石油の「ココロも満タンに」があげられます。コスモ石油のサービス精神、信頼性、安心感を一言で表した素晴らしいタグラインで、印象にも残りやすく、企業のブランディングに大きく貢献しています。 また、大成建設の「地図に残る仕事。」も、事業内容を一言で表すだけでなく、従業員のモチベーションアップ、さらには学生に「この会社で働きたい」と思わせる魅力がある、リクルート戦略にも非常に効果的なタグラインです。

このように、的確なタグラインを設定することは、企業・ブランドの市場における認知度アップ・競争優位性の構築につながります。また、このタグラインを中心にすることで統一性のある企業ブランディングを実行することができます。

なお、類義語にキャッチコピーがあり、タグラインと同じ意味で使われることもありますが、こちらは特定の製品やキャンペーン、ターゲットや時期などで変化する宣伝文句として区別することが多いようです。

それでは、現在どのようなタグラインが消費者に受け入れているのでしょうか。日経BPコンサルティングが行った「企業メッセージ調査 2020」によると、企業名想起率(メッセージ(タグライン)を見ただけで企業名がわかった人の比率)ランキングでトップになったのがファミリーマートの「あなたと、コンビに、」で、2位が先述のコスモ石油「ココロも満タンに」、3位が長年トップクラスの認知度を誇るロッテの「お口の恋人」となっています。

最近はコロナ禍の影響からか、ポジティブな内容を入れたタグラインの好感度が高く、SDGsなどの認知度が上がることにより、「地球」「自然」「食料」「水」「木」など、環境につながるワードを入れることがトレンドになっているようです。

このようなタグラインが必要なのは大企業だけ、と考える方もいるかと思いますが、中小企業においても企業や事業内容をわかりやすく伝える手段として効果が期待できます。 大企業は様々な事業を展開している場合が多いため内容を絞りづらく、タグラインをイメージ的な内容にせざるを得ない事情がありますが、中小企業は自社の価値を具体的に明記することで、市場における競争優位性を獲得しやすくなります。中小企業では、まだタグラインを設定している企業が少ないため、今がチャンスともいえます。

ただし、大企業のようにタグラインに英語を使用すると受け取り側の理解度が低くなる傾向がありますので、できるだけ日本語でわかりやすく伝えることが大切です。

中小企業が参考になるタグラインの好例をいくつかあげます。

「未来をはかる」新光電子
⇒幅広い分野の最先端計量・計測器の研究開発から製造までを手掛ける
「Ptセンサのトップメーカー」ネツシン
 ⇒ミクロから広範囲まで、あらゆる場面に対応する温度計測機器を手掛ける
「一本の針に心を込めて、世界の顧客に手渡そう」オルガン針
⇒国内シェア80%のミシン針をはじめ様々な針・精密機器の製造を手掛ける

いかがでしょうか。 BtoCはもちろんのこと、BtoB企業においても、企業の印象付けに効果があり、上手く活用することによって、自社のブランディングに大きく寄与するタグライン。まだ設定していない企業は、ぜひとも導入を検討すべきでしょう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

あなたのおすすめ記事