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1ドルの眼鏡が未来を映す『OneDollarGlasses』

SDGs

現在、眼鏡を必要としているにも関わらず購入する余裕のない人が全世界で9億5000万人以上いるそうです。その多くが発展途上国の人々です。
視力の低下は、日常生活や学業・仕事上などあらゆる場面に影響が出て、生産性や健康の維持を阻害します。結果として、生じる損失は年間2690億ドルを超えるといわれています。

ドイツの非営利団体OneDollarGlasses(EinDollarBrille eV)はこの問題の解消を目指し、現地で生産できる眼鏡と基本的な視力ケアをすべて自給自足できるソリューションの提供をはじめました。

現地生産が可能な眼鏡、OneDollarGlassesは、原材料費1ドルでつくることが可能で、過酷な状況にも耐えられるように、軽量かつ頑丈なスチール製のワイヤーフレームが使用されています。
製造の際には、電気を必要としない成型機が使用され、さまざまなサイズの眼鏡フレームをつくることができます。レンズはカット済みのプラスチックレンズが度数ごとに用意されており、それをはめ込むことで眼鏡が完成します。
さらに、検眼システムやフィッティング技術、眼鏡の製造・メンテナンスなどの方法も提供し、発展途上国で眼鏡を自給自足できる体制を定着させようとしています。

また、街から離れた場所に住んでいて眼鏡をつくりにくる余裕がない人々のために、OneDollarGlassesチームは村を訪れて眼鏡を現地生産し、その場で眼鏡を提供する試みも行っています。
OneDollarGlassesは現在8か国でプロジェクトを開始しており、各地の雇用の創出にもつながるなど、SDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」だけでなく様々な目標達成に寄与している事業といえます。

2050年には世界の眼鏡使用率が全人口の約50%になるという予測もあり、今後さらに眼鏡の需要は高まっていくことが予想されます。
このような社会課題に対し、企業としてどのような対応をしていくか、その姿勢の打ち出し方が求められる時代といえるでしょう。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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