CSRは忘れCSVにフォーカスすべき理由
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そんな中、受動的に経済の回復を待つのではなく、CSRとは違うアプローチに取り組む企業が出始めている。それがCSRより広範で長期的な成果が期待できる、CSV(共有価値の創造)への取り組みだ。
CSRとCSVの違いとは?
CSVは広範な社会の繁栄に貢献することで、経済的な価値を生むことを目的とし、企業のイメージアップのためだけの慈善事業とは一線を画す。CSRで問題にされるのが、企業の利益の使い方だ。CSRのモチベーションは、そもそも利益の確保とは別のところにあるためだ。
CSVの取り組みの3つのルート
製品とマーケットの再認識では、カスタマーベースで製品について、いくつかの疑問に答える必要がある。例えば、製品はカスタマーのニーズに応えているのかや、製品を購入していないカスタマーグループにどのようにアピールすべきかなど。本当に必要としているカスタマーに、最適な製品を届けることがCSVの基本となる。だが、多くのビジネスにとって、社会的問題や環境問題は外部要因として、真剣に価値を考えてこなかった歴史がある。だがそのことで、バリューチェーンに深刻なコストが生じている。安い労働力を理由にロケーションが遠くなり、ロジスティクスコストがかさむためだ。製造、生産、運搬、消費の距離を短くするなどの努力が求めらえている。
会社は単独では存在できない。商業的な成功は、サプライヤーや周辺コミュニティのインフラに影響される。CSVのコンセプトに基づき、ローカルビジネスクラスターへ投資することで、コミュニティの健全化を促進し、長期的な成功を目指すことが、これからの企業に求められている。
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