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SEOとは?仕組みやメリット、やり方や評価基準まで分かりやすく解説

コンテンツマーケティング

インターネットやSNSが発展した社会においては、消費者や顧客の情報ニーズに的確に応えていくことが求められます。そこで重要になるのがSEOという概念です。

本記事では、現代のマーケティングにおいて重要な役割を持つSEOについて、概要やメリット、やり方などを分かりやすく解説していきます。

SEOにおける重要な評価基準や、2024年に導入されるSGEの影響についても併せてご紹介しますので、ぜひ最後までご確認ください。

SEOとは?

まずはSEOについて、基本的な内容について確認します。

SEOの概要

SEOとは、「Search Engine Optimization」の略称であり、検索エンジン最適化を指します。

検索エンジン最適化とは、WEBサイトの構造やコンテンツを調整することで、Googleなどの検索エンジンで検索された際に、上位表示されるようにする取り組みのことです。

インターネットやSNSなどが発展した現代において、消費者は検索エンジンを活用して、自ら必要な情報を集めることができます。
そういった状況においては、検索エンジンで上位表示できるかどうかで、見込み顧客獲得の成果も大きく左右されると言えるでしょう。

そのため、多くの企業はSEOに取り組み、検索エンジンで検索された際に上位表示されるように努めているのです。

SEO施策の種類

SEOには内部施策と外部施策、コンテンツSEOという3つの施策があります。 一つずつ見ていきましょう。

内部施策
内部施策とは、WEBサイト構造にテコ入れを行い、ユーザーにとって利便性のあるWEBサイトへと整える施策のことです。
具体的には、内部リンクの最適化やパンくずリストの設置、meta descriptionの最適化といった取り組みが挙げられます。
また内部施策は、検索エンジンに対してWEBサイトの情報を分かりやすく伝えるための役割も担うため、SEOにおける中心的な施策と言えるでしょう。

外部施策
外部施策とは、被リンク獲得の取り組みやサイテーションなどを指します。
他メディアにWEBサイトのリンクを貼ってもらうことで、Googleからの評価が高まり、結果として表示順位の上昇が期待できるのです。
またサイテーション(SNSなどで自社製品やサービスに関する話題が取り上げられること)が増えることで、検索順位上昇に繋がる可能性があります。
外部施策はあくまで他者の行動に依存するため、直接的なコントロールはできません。
しかし、内部施策や良質なコンテンツ提供を継続することで、被リンク獲得やサイテーションへと間接的に繋げることができるでしょう。

コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、WEBサイトに掲載するコンテンツに対してSEO施策を施すことで、検索エンジンからの流入を目指す施策です。
キーワードの検索意図を分析し、検索ユーザーが必要とする情報を、ブログ記事として提供することが、主な取り組み内容になるでしょう。
WEBマーケティングの中でSEOと言うと、このコンテンツSEOを指すケースも多いと言えます。

【補足】需要が増加中の音声検索最適化(VSO)とは
VSOとは「Voice Search Optimization」の略称であり、音声検索最適化のことを指します。
昨今、スマートフォンを中心に音声検索機能が搭載されており、この音声検索を行った際に上位表示させるための取り組みがVSOとなるのです。
音声検索は入力スピードが手入力よりも速いことや、「ながら」でも検索が行えるという特性上、若い世代を中心に広く活用されており、VSOに取り組む企業も増えています。
VSOの具体的な取り組み方としては、通常のSEOと変わりません。
あくまで検索キーワードのインプット形式が音声というだけで、検索キーワードと関連したコンテンツやサイトを表示するという仕組みは同じなのです。
そのためSEOに取り組むことで、自ずとVSO上の成果も得られると言えるでしょう。

検索エンジンってなに?

検索エンジンの概要

ここで、そもそも検索エンジンとは何かについて、簡単におさらいしておきましょう。
検索エンジンとは、特定のキーワードによる検索を行うことで、そのキーワードと関連性のあるWEBサイトや情報をインターネット上から抽出し、表示してくれるシステムのことです。

WEBサイトにはURLという、いわば住所のようなものが設定されています。
このURLをベタ打ちすることでもアクセスできますが、効率が悪い上、そもそもWEBサイトごとにURLを覚えることは現実的ではありません。

その点、検索エンジンでは、「喫茶店 東京駅」といった形で検索を実施するだけで、すぐに関連性のあるWEBサイト(この場合、東京駅周辺にある喫茶店に関する情報)を多数表示してくれるのです。
ただし、検索キーワードと表示されるWEBサイトの紐づけ方は、検索エンジンごとに異なります。

そのため同じキーワードで検索しても、GoogleとBingでは表示される内容に多少の違いが見られるという点は留意しておきましょう。

世界No1 最も使われているGoogle検索エンジン

検索エンジンには数多くありますが、世界で最も使われているのはGoogleです。

Googleは検索エンジン市場で圧倒的なシェアを誇っており、令和4年版情報通信白書によれば、85%以上のシェアを獲得しています。

日本国内でもGoogleのシェアはトップとなっており、パソコンとスマートフォンそれぞれのデバイスにおいて、約75%のシェアを誇っているのです。

GoogleとYahooって何が違うの?

日本国内の検索エンジンシェアはGoogleとYahoo!で9割以上を占めています。

検索エンジン機能に特化したGoogleとは異なり、Yahoo!は検索エンジンも搭載しつつ、ニュースやショッピングといった、様々な情報を集めたプラットフォームとしての機能があります。

また検索結果における表示項目などに多少の違いが見られるのです。

それでは日本におけるSEOは、GoogleとYahoo!を対象として実施すればよいかと言うと、そうではありません。
Yahoo!は2010年からGoogleの検索アルゴリズムを導入しているため、基本的にGoogleを基準にSEOに取り組めば、Yahoo!においても上位表示される可能性が高くなるのです。

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SEOのメリット

ここからはSEOに取り組むメリットについて確認していきましょう。

メリット①:検索流入が増え、広告費用を削減できる

一つ目に挙げられるのは検索流入の増加による、広告費用の削減です。

SEOに取り組み、自社製品・サービスと関連性の高いキーワードで上位表示が実現できれば、見込み顧客の検索流入が期待できます。
検索流入が安定的に見込まれる状況を実現することで、集客における広告の相対的な必要性も減少し、広告費用を削減できるでしょう。

メリット②:未認知顧客・潜在顧客との接点を確保できる

自社のことを知らない未認知顧客や、まだニーズが曖昧な潜在顧客との接点を確保できる点もメリットと言えるでしょう。

顧客は検索エンジンを用いる際、「営業 効率化」や「採用 外部委託」といったように、自らのニーズを言語化して検索することが多くなります。
こういったキーワードに対して適切にSEOを施し、上位表示を実現することで、自社を知らない顧客とも、検索エンジン経由で接点を作ることができるのです。

また「MAとは」や「コンテンツマーケティングとは」といったキーワードに見られるように、その分野に興味があるものの、明確なニーズを持っていない潜在顧客の検索流入も見込まれるでしょう。

メリット③:自社のWEB資産になる

自社のWEB資産になるという点も見逃せません。
SEOに取り組むことで、WEBサイトは継続的に認知獲得や集客効果を発揮する資産になります。

SEOによって資産化したWEBサイトは、継続運用するために多大な費用が必要な広告とは異なり、大きな費用をかけることなく、持続的な集客効果を得ることが可能です。

結果として、費用対効果の良いマーケティング活動を実現できると言えるでしょう。
Yahoo!は2010年からGoogleの検索アルゴリズムを導入しているため、基本的にGoogleを基準にSEOに取り組めば、Yahoo!においても上位表示される可能性が高くなるのです。

SEOに取り組む際のデメリットも併せて確認しておきます。

デメリット①:効果が出るまで時間がかかる

デメリットとして一つ目に挙げられるのは、効果が出るまで時間がかかるという点です。

SEOは即効性に乏しく、適切なコンテンツや情報を提供できたとしても、上位表示されるまでに時間がかかるケースが多いと言えます。

長期間運用してきたWEBサイトのドメインであれば、数週間で成果を挙げられる可能性はあります。
しかし、新規ドメインで立ち上げたWEBサイトの場合、数か月かかるケースもある点は留意しておきましょう。

デメリット②:人的リソースがかかる

人的リソースがかかるという点もデメリットと言えるでしょう。

SEOは一時的な取り組みではなく、しっかりと腰を据えて長期的に取り組む必要があります。
一度上位表示を実現できても、継続的な情報更新などを実施しなければ、検索順位が落ちてしまうことも往々にしてあるのです。

そのためSEOに取り組む際は、効果検証やコンテンツ改善など、継続的な運用を行うための人的リソース確保が欠かせません。

SEOで検索順位が決まる仕組み

SEOの概要やメリットなどを押さえていただいたところで、検索順位が決まる仕組みについても確認していきましょう。

SEO = Googleの考え方に近づけること

日本における検索エンジンはGoogleが大半を占めています。

Googleの検索アルゴリズム(検索順位を決める詳細なルール)は公開されていないため、細かな仕組みまでは把握できませんが、以下のように定義できるでしょう。

「検索キーワードの検索意図に対して、最も適した情報を提供しているとGoogleが判断したWEBサイトから順番に表示される」

それではGoogleは、WEBサイトやコンテンツをどういった基準で評価しているのでしょうか。

Googleが掲げる10の事実

Googleでは会社の方針として、以下の10の事実を掲げています。

1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2.1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3.遅いより速いほうがいい。
4.ウェブ上の民主主義は機能する。
5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7.世の中にはまだまだ情報があふれている。
8.情報ニーズはすべての国境を越える。
9.スーツを着なくても真剣に仕事はできる。
10.「すばらしい」では足りない。

引用:Google が掲げる 10 の事実

この10の事実のうち、一つ目の「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」という項目が、WEBサイト評価における指針の一つとなります。

この考え方はGoogleの検索エンジンにも当然反映されており、WEBサイトやコンテンツを評価する際、ユーザーファーストかどうかが大きな基準となっているのです。
そのため検索ユーザーにとって有益なWEBサイトやコンテンツを作成できれば、自ずとGoogleにおいて検索順位が上がっていくと言えるでしょう。

その他の重要な評価基準については、後ほどご紹介します。

SEO対策のやり方【準備編】

ここからはSEO対策のやり方について、準備編と実践編に分けてご紹介します。 まずは準備編から見ていきましょう。

SEOは現状分析が第一歩

SEO対策を行う前に、まず現状を分析することがポイントとなります。 現在のWEBサイトについて、以下のようなデータを確かめることになるでしょう。

●WEBサイトが表示されている検索キーワード
●検索キーワードごとの表示順位
●検索エンジンからの流入数
●WEBサイトのシェア数
●SNSからの流入数
●コンテンツの閲覧状況

これらの点を確認し、当初想定していたキーワードからの流入はあるのか、上位表示ができているかなどを分析することになります。

これらのデータを分析するには、ツール活用が欠かせません。
具体的には以下の二つのツールが挙げられます。

Google analytics4【WEBサイト効果を分析】

一つ目のツールは、Google analytics4(以下、GA4)です。
GA4はGoogleが提供するアクセス解析ツールであり、無料で利用できます。

GA4ではWEBサイトの効果を分析することになるでしょう。
コンテンツの表示回数やページのスクロール数、サイト内の検索といった観点でWEBサイトのデータを測定し、流入後の効果を測っていくことになるのです。

Google Search Console【キーワード分析】

もう一つのツールはGoogle Search Consoleです。

Google Search ConsoleもGoogleの提供する無料の分析ツールとなっており、キーワードや表示順位など、検索流入に関しての分析が可能となっています。
GA4と連携させることで、GA4上でGoogle Search Consoleのデータも把握できるため、より効率的な分析を行うことができるでしょう。

SEO対策のやり方【実践編】

現状分析が終わった後は、いよいよSEO対策を実践してきます。
具体的には以下のような取り組みを行います。

SEOキーワードの選定

まずはSEOキーワードの選定を行います。
どういったキーワードで検索されたときに上位表示したいのかを検討し、適切なキーワードを選定することになるでしょう。

分析の結果、狙ったキーワードで表示されていないケースもあります。
その場合、「引き続きそのキーワードを狙うのか、それとも別のキーワードを狙うのか」といった点も検討し、対策するSEOキーワードを選定していくことになるのです。

キーワードを選定する上で、検索ボリュームを考慮することも重要になります。 Googleが提供するキーワードプランナーなどのツールを用いて、検索ボリュームも確かめた上で、適切なSEOキーワードを選ぶと良いでしょう。

選定キーワードの検索ニーズを調べる

次に行うべきは、選定したキーワードの検索ニーズの調査です。
選定したキーワードで、実際に検索エンジンで検索をかけて、表示されたWEBサイトを分析することになります。

表示されているWEBサイトの内容などから、キーワードの検索意図やニーズを探っていきましょう。
コンテンツSEOを行う場合、同様のやり方で競合コンテンツを調査することになります。

表示順位1位から5位までのWEBサイトを分析すれば、大体の検索意図は推察可能です。 もう少し精度の高い分析をしたい場合は、表示順位10位まで分析すれば十分でしょう。

キーワードを入れたSEOタイトルの付け方

WEBサイトやコンテンツのタイトルにキーワードを用いることも、SEOにおいて重要な取り組みとなります。

メインとするターゲットキーワードは、前の方で用いることがポイントです。
例えば「営業支援」といったキーワードで、コンテンツの上位表示を狙いたい場合、「営業支援とは?〜」といった形にするとよいでしょう。

あとは関連キーワードをベースに、読者にとって利点となる要素などを加えていきます。

ただしキーワードの詰め込み過ぎは、かえって逆効果になります。
あくまで検索ユーザー視点で、「この記事を読むことでどんな情報が得られるのか」が分かるように設定しましょう。

また大半のブラウザは、タイトルの表示文字数が30文字程度であるため、できるだけ30文字前後に収めることも重要なポイントとなります。

最適な内部施策、内部リンクを考える

内部施策も重点的に取り組んでいきましょう。
内部施策は先に挙げたようにWEBサイト構造を最適化させる取り組みとなり、主に以下の3つのカテゴリに分かれた施策を実施します。

カテゴリ①:XMLサイトマップでクローラーの巡回を促す

検索エンジンにはクローラーと呼ばれるWEBサイトを探すロボットがあり、このクローラーに見つけてもらうことで、検索エンジンで検索された際に表示されるようになります。 そのため内部施策では、クローラーがWEBサイトを見つけられるようにサイト構造などを調整していくことになるのです。

例えばページ数が100を超えるようなWEBサイトの場合、クローラーが全てのページを巡回しようとすれば、多くの時間が必要になります。 そこでXMLサイトマップを作成し、サイト内の構造やコンテンツを簡単に知らせる必要があるのです。

その他、関連ページのURLやフッターのリンク、パンくずリストの設置といった内部リンクの最適化もクローラーの巡回を促す上で有効と言えるでしょう。

カテゴリ②:検索エンジンに内容を正しく伝える

検索エンジンにWEBサイトの内容を正しく伝達することも、内部施策における重要な取り組みです。

そのためページタイトルやmeta descriptionにターゲットとするキーワードを入れたり、見出しタグを用いてページ構造を整理したり、といった対応が必要になります。

その他WEBページに用いている画像に対して、適切なaltタグを設定することも、SEOにおいて有効に作用するでしょう。

カテゴリ③:ユーザビリティの確保

WEBサイトを訪れたユーザーにとって、利便性や分かりやすさなどを担保することで、上位表示できる可能性が高まります。
WEBサイトのターゲット読者に合わせて、文字サイズや背景色とのコントラストなどを調整することは勿論、ページ表示速度を高めるなどの工夫も必要になるでしょう。

ページ表示速度は、画像のサイズや容量によって大きく左右されるため、できる限り画像データを軽量化することをおすすめします。
また、Googleは検索順位を判断する際、モバイル用サイトの質も基準としているため、モバイルファーストインデックスへの対応も欠かせません。
ちなみにモバイルファーストインデックスへの対応と、レスポンシブデザイン(デバイスによって最適化されたUIが表示される機能)は、別のものです。

とはいえ、レスポンシブデザインに対応している方が、ユーザビリティの観点でも優れていると言えるため、こちらも忘れずに対応しておきましょう。
モバイルファーストインデックスについては、こちらの公式ページを参照ください。

E-E-A-Tを意識しコンテンツの信頼性を明示する

WEBコンテンツを制作する際、E-E-A-Tを意識することも、SEOにおける重要なポイントになります。
E-E-A-Tとは、以下の言葉の頭文字を合わせたものです。

●Experience:経験
●Expertise:専門性
●Authoritativeness:権威性
●Trustworthiness:信頼性

SEOにおいて、コンテンツの内容は勿論のこと、「誰によって作られたものか」といった観点も重要になります。
そのためコンテンツを制作する際は、執筆者や監修者のプロフィールなども記載し、このE-E-A-Tをできるだけ担保することがポイントになるのです。

E-E-A-Tの中でも、Googleが特に重視しているのは、Trustworthiness(信頼性)であるため、この点も考慮してWEBサイトやコンテンツの制作に取り組むとよいでしょう。

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SEO対策で絶対にやってはいけないブラックハットSEO

次にSEOに取り組む上で、絶対にやってはいけないブラックハットSEOについてご紹介します。

ブラックハットSEOとは、不正な手段を用いて検索順位を上げる手法のことです。 具体的には主に以下のような手法が挙げられます。

ブラックハットリンク

ブラックハットリンクとは、外部リンクを購入することで、大量の被リンクを獲得する手法です。
被リンクが多いということは、数多く参照されているという証左とも言え、ユーザーからの評価が高いとGoogleから判断されます。

この考え方を悪用し、不正に被リンクを獲得して、検索順位を上げるケースも見られるのです。
しかしGoogleは明確にブラックハットリンクを禁止しており、もし違反した場合は検索順位が大幅に下げられるなどのペナルティが課されるでしょう。

オールドドメインの悪用

次に挙げられるのが、オールドドメインの悪用です。

オールドドメインを利用すること自体は問題ありませんが、オールドドメインのサイトを、被リンク目的で利用するといった使い方をした場合、ブラックハットSEOとなるのです。

オールドドメインは、新規で立ち上げたドメインよりも、ドメイン自体の評価が高いケースもあり、その分SEO効果も早く出やすいと言えます。 こういった効果を悪用してしまうと、ブラックハットSEOと見なされ、Googleからペナルティが課される可能性があるでしょう。

コピーコンテンツ

既に上位表示されているWEBページの内容をコピーし、自社のWEBサイトで公開するといった行為も、ブラックハットSEOに挙げられます。

また、他のWEBページの内容を多数引用し、独自の内容よりも引用箇所が多いといったコンテンツも、コピーコンテンツと見なされてしまう可能性があります。 コピーコンテンツはGoogleの規約に違反するだけでなく、著作権などの観点から見ても違法行為となるでしょう。

そのためSEOに取り組む際は、引用などで意図せずコピーコンテンツになってしまわないように注意しましょう。

隠しテキスト

隠しテキストもGoogleが禁止している行為となります。

隠しテキストとは、背景とテキストを同じ色にしたり、フォントサイズを0にしたりすることで、ユーザーには見えないようにしたテキストです。
ユーザーには見えませんが、検索エンジン側にはテキスト内容が伝わるため、隠しテキストにキーワードを多数用いて、検索順位を上げようとするケースがあります。

隠しテキストの使用はGoogleから偽装行為とみなされ、ペナルティなどが課される可能性が高いため、やめておきましょう。

Googleアルゴリズムアップデートの歴史を知ろう

次にGoogleのアルゴリズムアップデートの歴史について、簡単にご紹介します。

パンダアップデート

パンダアップデートは2011年2月に実施されたもので、コンテンツの質を重視したアルゴリズムへと変わりました。

WEBサイトやコンテンツに独自性があるかどうか、自動生成コンテンツでないか、といった点が検索順位に影響するようになったのです。

ペンギンアップデート

ペンギンアップデートは2012年4月に実施されたアップデートであり、内容としては、外部リンクやスパムの取り締まりの強化が含まれています。

このペンギンアップデートにより、外部リンク先とWEBサイトの関連性なども影響するようになり、外部リンクが多いだけではサイトの評価は上がらなくなったのです。

先に挙げたブラックハットリンクなども、ペンギンアップデートにより有効に作用しなくなったと言えるでしょう。

ハミングバードアップデート

ハミングバードアップデートは2013年9月に行われたもので、会話型の検索キーワードでも適切なコンテンツが表示されるようになりました。

例えば、「丸の内駅の近くにあるホテルは?」といった検索を実施すると、丸の内駅周辺のホテルが検索結果に表示されるようになったのです。

ハミングバードアップデートにより検索ユーザーの利便性が向上し、より検索エンジンが身近なものになったと言えるでしょう。

ベニスアップデート

2014年12月に行われたベニスアップデートでは、位置情報を踏まえて検索結果が表示されるようになりました。

店や施設などを検索する際、検索キーワードに場所を含めなくても、現在位置から近いものが表示されるようになったのです。

モバイルフレンドリー

モバイルフレンドリーは2015年4月に導入されたアップデートであり、スマートフォン対応を促進するための内容が含まれています。

これ以降スマートフォン対応していないWEBサイトは評価が上がりにくくなり、多くの企業がスマートフォン対応をすべく、レスポンシブデザインの導入などに踏み切ったと言えるでしょう。

ランクブレイン

ランクブレインは2015年10月に導入されたもので、AIの活用により検索精度を高めました。

AIの導入により、検索キーワードから検索意図を推察することを実現し、検索意図に最適化された検索結果を表示するようになったのです。

ランクブレインの登場によって、単純にキーワードだけを詰め込むSEOはより一層機能しなくなり、コンテンツの質を重視する必要性が高まったと言えるでしょう。

健康アップデート

健康アップデートは2017年12月に実施され、医療や健康をテーマとするWEBサイトを対象に行われたものです。

医療や健康に関する情報は、もし誤りなどがあった場合、検索ユーザーにとって健康被害をもたらす可能性があります。

そのため、誤りがあるような低品質なコンテンツが上位表示されないように、医療機関や医療従事者などが運営するサイトなど、信頼性のあるWEBサイトが表示されるようになりました。

コアアルゴリズムアップデート

コアアルゴリズムアップデートは、年に数回実施されるアップデートであり、検索順位を決める上で中核となっているコアアルゴリズムに調整が行われます。

コアアルゴリズムアップデートが実施されると、検索順位が大幅に入れ替わることもあるため、SEOにおいても重要なアップデートとなっているのです。

2023年は3月と8月、10月に行われています。

BERT

BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、2019年に検索アルゴリズムに採用された自然言語処理モデルのことです。

自然言語処理とは、人が日常会話で使っている言葉をコンピュータに処理させる技術を指します。

この技術が導入されたことにより、検索エンジンの文脈理解の質が高まり、検索キーワードから検索意図を把握する際の精度が飛躍的に高まったと言えるでしょう。

BERT

コアウェブバイタル

コアウェブバイタルは、2021年のコアアルゴリズムアップデートで導入されました。
コアウェブバイタルには、以下の3つの指標が含まれています。

●LCP(Largest Contentful Paint):ページ表示速度を測る指標
●FID(First Input Delay):WEBサイトの反応速度を測る指標
●CLS(Cumulative Layout Shift):視覚要素の安定性を測る指標

これらの指標を基に、ユーザー体験の向上を目指していくことが求められており、これらのスコアが良好なWEBサイトほど、上位表示されやすくなっているのです。

SEO対策で重要な新たな評価基準

最後にSEOにおける重要な評価基準についてご紹介します。

E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)

一つ目に紹介するのはE-E-A-Tです。

先ほども触れたとおり、現在のSEOではコンテンツの品質は勿論のこと、そのコンテンツが誰によって制作されたか、という点も重要になってきています。

コンテンツ制作者やWEBサイト運営者が、豊富な経験や専門性を持っているのかといった点も、評価基準となっているのです。

YMYL

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略称となっており、人の人生や将来に大きく影響を与えるテーマを扱うWEBサイトを指します。

YMYLに含まれるテーマは以下のとおりです。

●ニュースや時事
●市民の権利、政府、法律
●金融や財産
●ショッピング
●健康や安全
●人々のグループ
●その他(仕事の探し方や住宅情報など)

これらをテーマとした情報について、誤った情報を提供してしまうと、検索ユーザーの人生に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

そのためYMYLにおいては、コンテンツの品質は勿論のこと、高い信憑性や信頼性が求められると言えるでしょう。

Needs Met 検索意図に添っているか

現在のGoogleの検索アルゴリズムでは、そのキーワードで検索されるに至った背景、つまり検索意図まで推察した上で検索結果を表示します。

そのため、特定のキーワードにおいてWEBサイトやコンテンツを上位表示させたい場合は、その検索キーワードにおける検索意図を分析する必要があるのです。

実際に検索を実施して、どのようなコンテンツが表示されるのかを分析することで、検索意図を推察できるでしょう。

ベニスアップデート

2014年12月に行われたベニスアップデートでは、位置情報を踏まえて検索結果が表示されるようになりました。

店や施設などを検索する際、検索キーワードに場所を含めなくても、現在位置から近いものが表示されるようになったのです。

Page Quality 品質の高いコンテンツか

SEOにおいて、コンテンツの品質も重要な評価基準となっています。

Googleの検索エンジンは、検索キーワードに関連性のあるコンテンツの中から、最も役立つだろうコンテンツを優先して表示する仕組みになっているのです。

そのため、検索意図に合っていることは勿論、「内容やボリュームは適切か、他のコンテンツと差別化できているか」といった点も大きく影響してくると言えるでしょう。

Site Trust サイトはユーザーから信頼されているか

WEBサイトやコンテンツが、検索ユーザーから信頼されているかどうかも、重要な評価基準となります。

ユーザーからの信頼については、WEBサイトが他サイトでどれくらい取り上げられているかといった点を基に評価されることになるでしょう。

関連性のある他サイトからの被リンクや、ブックマークなどを獲得することで、WEBサイトの信頼性をアピールしていく必要があるのです。

Usability UI・UXの重要性

ユーザビリティも重要な評価基準となることは言うまでもありません。

WEBサイトのUIがユーザーにとって使いやすいものか、見やすいかといった点は、コンテンツの質と同じく重要となります。

またWEBサイトやコンテンツの利用を通じたUXを高めることも、SEOにおいて有効に作用すると言えるでしょう。

そのためページ表示速度や反応速度などにも最大限考慮し、ユーザーを第一に考えた内部施策を実施する必要があるのです。

Loss Points SEOにとってのマイナス要素はないか?

ここまで解説してきた評価基準に対してマイナス要素がないかという点も、重要な判断ポイントになるでしょう。

SEOのおける外部施策は自社でコントロールすることは難しいですが、内部施策やコンテンツSEOは、しっかりとポイントを押さえた上で調整していく必要があります。

●内部施策は最適化されているか?
●検索意図に合ったコンテンツになっているか?
●コンテンツの信憑性や信頼性は担保されているか?
●Googleのガイドラインに違反していないか?

上記のような点を踏まえつつ、WEBサイトやコンテンツの検証を行いましょう。

【補足】2024年に導入されるSGEとは

最後に補足として2024年に導入されるSGEについてご紹介します。

SGEとは「Search Generative Experience」の略称で、生成AIを用いた検索機能のことです。2023年時点では試験運用段階となっています。
従来の検索エンジンでは、Googleのクローラーが発見したWEBサイトの中から、検索キーワードや検索意図に最適化されたWEBサイトを表示していました。

SGEでは、高度なAI技術を用いて、ユーザーの検索意図に応じた回答を自動生成するのです。
試験運用中のレイアウトでは、自動生成された回答は検索結果の上部に表示されていますが、実運用時にはレイアウトが変更されている可能性はあります。

また現時点ではSEOにどのような影響を及ぼすのか、はっきりとは分かりません。
とはいえ2024年以降はSGEについても理解した上で、SEOに取り組まなければならない可能性がある点は押さえておきましょう。

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まとめ

本記事ではSEOをテーマに解説してきましたが、いかがでしたか。

SEOは広告などの効果が減少しつつある中で、集客やマーケティングにおいて中核的な役割を担う重要な取り組みと言えます。

効果が出るまで時間がかかるという難点はあるものの、ポイントを押さえて正しいSEOに取り組むことで、費用対効果の高いマーケティング活動を実現できるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、SEOに取り組んでいただければ幸いです。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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