オウンドメディア採用で“欲しい人材”を引き寄せる!今こそ始める自社発信の採用戦略
コンテンツマーケティング
採用活動において、求人広告や人材紹介に頼る時代は変わりつつあります。今、多くの企業が注目しているのが「オウンドメディア採用」です。自社の魅力を自ら発信し、共感する人材と出会うこの手法は、中長期的な採用戦略として大きな可能性を秘めています。
オウンドメディア採用とは? ? 従来の採用との違い
従来の採用は、求人広告や紹介会社を通じて人材を「待つ」手法が一般的でした。しかし今では、企業自ら情報を発信し、共感してくれる人材を惹きつける「攻め」の採用が主流になりつつあります。その代表がオウンドメディア採用です。
求人広告や人材紹介に頼らない「攻め」の採用手法
オウンドメディア採用とは、自社が運営するブログや採用特化サイト、SNSなどを通じて、企業のビジョンや働き方、社内の雰囲気を継続的に発信する採用手法です。従来のように求人広告や人材紹介に頼る「待ち」の姿勢ではなく、自ら発信して“共感”を軸に人材を惹きつける「攻め」のスタイルが特徴です。転職を検討していない層にもアプローチできるため、将来の候補者との接点づくりにも効果があります。
なぜ今、企業が自社メディアで採用に力を入れるのか
求職者は待遇だけでなく、企業文化や働き方を重視する傾向にあります。オウンドメディアは、リアルな情報を届けてミスマッチを防ぎ、採用活動と企業ブランディングを両立できる手段として注目されています。さらに、企業の価値観や社員の声を継続的に発信することで、共感を得た“ファン人材”を中長期的に惹きつけることが可能です。
オウンドメディア採用のメリットと可能性
オウンドメディア採用は、人を集めるだけでなく、企業の魅力を発信しながらブランドを育てていく戦略的な手法です。短期の採用だけでなく、長期的な組織づくりにもつながります。
採用コスト削減だけじゃない!企業ブランディング効果
求人広告や紹介会社に頼らずに採用活動を行うことで、広告費の削減が可能です。それ以上に、自社の価値観や職場の雰囲気を自由に発信できる点が大きなメリットです。
企業の考え方や現場のリアルな声を伝えることで、求職者との信頼関係が築かれ、結果的に企業ブランディングの強化にもつながります。
長期的に“ファン”人材を育てる仕組み
オウンドメディアは、転職を今すぐ考えていない人にもアプローチでき、将来的な採用に向けた関係づくりが可能です。
社員のインタビューや働き方の記事を通じて企業に共感した読者が、やがて応募者になることも。こうした「育てる採用」はミスマッチを減らし、定着率の高い人材獲得につながります。
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成功するオウンドメディア採用のポイント
オウンドメディア採用を成功させるには、狙ったターゲットに響くコンテンツ作り、SNSを活用した認知拡大、そして社員のリアルな声を伝えることが重要です。これらを組み合わせることで、より効果的に応募者を集められます。
採用ターゲットに刺さるコンテンツの作り方
採用したい人材のペルソナを具体的に設定し、その人が興味を持つ情報や価値観をしっかりと伝えましょう。企業理念や働き方の紹介だけでなく、社員の生の声や成功体験などリアルなストーリーを盛り込むことで、強い共感を生み出せます。
SNSとの連携で広がる認知と接点
オウンドメディアで作成した記事や動画は、XやInstagram、YouTubeなど複数のSNSで積極的に拡散しましょう。SNSは双方向のコミュニケーションも可能なため、コメントやDMで求職者との接点を増やし、認知度アップと応募者の質向上につなげることができます。
社員の声・社内風景が“決め手”になる理由
求職者は待遇だけでなく、リアルな企業文化や働き方を重視する傾向にあります。社員の声や日常の風景は、企業の理念や雰囲気を伝える上で非常に有効です。インタビューや座談会、社員の一日を追うコンテンツなどで、働く人の顔や本音を見せることで、求職者の共感を深め、入社後のミスマッチを効果的に防ぐことができます。
中小企業・ベンチャーが始めやすい導入ステップ
中小企業やベンチャーがオウンドメディアを始める際は、限られたリソースを有効活用しながら、自社に合ったメディア選びと運用体制の整備が重要です。効果的な運用には、計画的なステップと継続力が求められます。
まずはブログ?動画?メディアの選び方
媒体ごとに得られる効果は異なります。ブログは文章を中心に情報を丁寧に伝えやすく、SEOに強い特徴があります。一方、動画は視覚と音声で訴求でき、SNSとの相性も抜群です。自社のターゲット層や運用可能なリソースを踏まえ、最適なメディアを選びましょう。
コンテンツ運用を社内で回す体制づくり
オウンドメディアは、成果が出るまでに時間がかかる中長期的な施策です。安定した効果を出すためには、定期的なコンテンツ制作とPDCAを回す体制の構築が不可欠となります。具体的には、プロデューサー、ディレクター・編集者、ライターといった必要な役割を明確にし、自社に合った運営体制を構築することが成功への鍵です。
自社らしさを伝えるテーマ例と運用Tips
オウンドメディアで「自社らしさ」を伝えるには、まず運用するコンセプトを明確にすることが重要です。これにより、コンテンツ全体の方向性が統一され、ブレないメディア運営が可能になります。企業の過去・現在を踏まえつつ未来志向のスタンスで、独りよがりでも読者迎合でもないバランスを保ちましょう。継続性や一貫性を維持しつつ、コンパクトなアプローチで課題に取り組むことが、特にリソースが限られる中小企業やベンチャーには有効です。
事例紹介:オウンドメディアで採用成功した企業の実例
オウンドメディア採用で成功した企業の事例を具体的に紹介します。各企業の特徴や運用戦略を参考に、自社に合った採用メディア構築のヒントをつかみましょう。
1. CyberAgent Way(株式会社サイバーエージェント)
サイバーエージェントは採用オウンドメディアの先駆けとして知られ、社員インタビューや事業紹介を中心に企業文化や価値観を丁寧に伝えています。応募導線は最小限にし、まずは企業への共感と理解を深めることに重点を置いています。SNSも効果的に活用し、若年層を中心に幅広い層への認知拡大に成功しています。
2. mercan(株式会社メルカリ)
メルカリの「mercan」は、エンジニアや企画職の社員インタビュー、技術解説、サービス紹介、イベントレポートなど多彩なコンテンツを掲載。月10本以上の高頻度で更新を続けることで、常に新鮮な情報を提供しています。経営層も積極的に記事作成やSNS拡散に関わっており、求人ページへの導線設計も非常に明確で応募者の導入がスムーズです。
3. ナイルのかだん(ナイル株式会社)
ナイルのかだんは、「人」「事業」「組織」「カルチャー」といったカテゴリーでコンテンツを分類し、社風や働き方を多面的に伝えています。チャットボットによる案内機能や人気記事ランキングを設置し、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させ、求職者の興味を引きやすくしています。
4. LINEヤフーコミュニケーションズPress(LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社)
LINEヤフーコミュニケーションズは、独自の企業カルチャーや働き方をインタビュー記事中心に発信しています。社員の顔が見える画像付きの記事コンテンツを豊富に揃えており、求職者に親近感やリアリティを与えることに成功しています。メディア全体でブランドイメージの向上も図っています。
5. サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
サイボウズは働き方に特化した幅広いコンテンツを提供し、企業文化の浸透とブランディングの強化を狙ったメディア運用を行っています。多様な視点での情報発信により、社員の働きがいや企業の魅力を多面的に伝え、求職者の共感を呼んでいます。
6. Next Movement(エス・イー・シー・エレベーター株式会社)
弊社リボンハーツクリエイティブでは、SECエレベーター様の優秀な学生獲得を目的とした企業ブランディング施策「Next Movement」を手掛けました。未来の暮らしやテクノロジー、社会課題をテーマに学生の関心を引き、魅力を効果的に発信しています。
工業系大学への取材を通じて大学や教授とのコネクションを築き、採用活動の基盤づくりにも寄与。あわせて採用サイトのリニューアルも担当し、魅力的な採用環境の構築を支援しました。
詳しい実績はこちら
まとめ:採用は“企業の魅力発信”から始まる
これまで紹介してきたとおり、採用は単なる求人掲載ではなく、企業の魅力を継続的に発信していくことからスタートします。特に自社メディアを戦略的に活用することで、採用活動は「資産」として未来につながるものへと進化します。
オウンドメディアは「資産になる採用ツール」
オウンドメディアは、自社で所有・運営する情報発信の場です。発信した記事やストーリーは、求人広告とは違い抹消されずストックされ続けます。これにより、ミスマッチの減少、多様なチャネルでの長期的な露出、そしてデータを蓄積しPDCA改善が可能になるなど、採用施策が企業資産として大きく成長します。
今から始める、自社主導の採用戦略
今、採用市場はデジタル化と情報収集の多様化が進み、従来型の手段だけでは対応が難しくなっています。自社で主導するオウンドメディア採用は、企業文化や価値観を自由かつ深く伝えることができ、潜在層にも届く戦略的手法として最適です。
ライタープロフィール
神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長
創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。