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オウンドメディア成功事例から学ぶ!成果を出す企業が実践する戦略

オウンドメディアが今、企業に必須な理由

自社が保有・運用する情報発信メディア、いわゆる「オウンドメディア」は、近年ますます企業活動において重要な役割を担うようになっています。特に商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、顧客との信頼関係を深めたり、将来的な売上に直結する「資産」としても注目されたりしています。ここでは、企業がオウンドメディアに注力すべき理由を3つの視点から解説します。

顧客との長期的な関係構築

オウンドメディアは、一度きりの広告とは異なり、読者との継続的なコミュニケーションを可能にします。企業が発信する有益な情報やストーリーに共感した顧客は、繰り返しサイトを訪れたり、ブランドに対して親近感を持ったりするようになります。たとえば、D2Cブランドがブログやコラムで商品の背景や開発秘話を伝えることで、ファン化が進み、顧客のLTV(顧客生涯価値)も向上するケースが増えています。

資産となるコンテンツの蓄積

オウンドメディアで発信した記事や動画、ノウハウ集といったコンテンツは、時間が経っても残り続ける「企業の資産」となります。これにより、広告のように一時的な費用対効果で終わらず、長期的に集客や信頼獲得に貢献してくれます。また、検索エンジンに評価されれば、自然流入(オーガニック流入)が増え、営業活動の効率化にもつながります。

広告費に依存しない集客

広告出稿に頼りきった集客は、予算が尽きると成果も止まります。一方で、オウンドメディアによる情報発信は、初期こそ時間と手間がかかりますが、育てることで広告に頼らない集客チャネルを確立できます。中小企業でも専門性の高い記事を継続して発信することで、検索エンジンからの流入を獲得し、安定したリード獲得が可能になります。

成功事例に学ぶ!企業のオウンドメディア戦略

オウンドメディアは、企業が持続的な成長を遂げるための重要な戦略ツールです。ここでは、具体的な成功事例を通して、各企業がどのように成果を生み出したのかを簡潔に解説します。

【事例1】顧客の「困った」を解決し、LTVを最大化するオウンドメディア

https://www.fancl.co.jp/clip/index.html

この戦略を採る企業は、顧客の日常的な疑問や具体的な悩みに深く寄り添い、その解決に資する質の高い情報を提供することに注力しました。例えば、製品の使い方だけでなく、それに関連するライフスタイルのヒントや、トラブルシューティングの詳細な解説などを継続的に発信します。これにより、ユーザーは困った時にまずそのメディアを頼るようになり、製品や企業への深い信頼と愛着を育みました。結果として、顧客は長期的なファンとなり、リピート購入や関連サービスの利用が促進され、顧客一人あたりの生涯価値(LTV)が飛躍的に向上しました。

【事例2】ニッチな分野で圧倒的な専門性を確立するオウンドメディア

https://techweb.rohm.co.jp/

特定の専門分野に特化した企業は、その領域における深い知識と独自の視点に基づいたコンテンツをオウンドメディアで展開しました。一般的な情報に留まらず、業界の最新研究、技術的な詳細、専門家ならではの分析などを惜しみなく提供します。これにより、競合が容易に模倣できない**「圧倒的な専門性」を確立し、その分野における権威としての地位を築き上げました**。結果として、専門性の高い読者層からの支持を強く獲得し、質の高いリード創出や新たなビジネス機会の獲得に成功しました。

【事例3】ブランドイメージを向上させ、採用にも繋がるオウンドメディア

https://careers.mercari.com/mercan/

この戦略を実行する企業は、自社の製品やサービスだけでなく、企業文化、従業員の働きがい、社会貢献活動など、企業の「人間らしさ」が伝わるコンテンツを発信しました。例えば、社員インタビューやオフィスツアーの動画、企業理念の背景にあるストーリーなどを多角的に紹介します。これにより、顧客や求職者に対して企業の魅力と価値観を具体的に伝え、共感を呼びました。結果として、企業のブランドイメージが大きく向上し、優秀な人材が自社の理念に惹かれて応募してくるという好循環を生み出し、採用活動においても大きな成功を収めました。

【事例4】潜在顧客の掘り起こしに成功したBtoB企業のオウンドメディア

https://jp.norton.com/blog

BtoB企業がこの戦略で成果を出した事例では、直接的なサービス紹介ではなく、ターゲット企業が直面しうる経営課題や業界トレンド、DX推進のヒントなど、啓発的な情報提供に力を入れました。まだ自社の課題に気づいていない、あるいは解決策を探し始めていない潜在顧客に対し、彼らのビジネス成長に役立つ示唆を提供します。これにより、読者の潜在的なニーズを顕在化させ、課題解決への意識を高めました。結果として、質の高いリードの創出に繋がり、商談へと発展する見込み客を効率的に獲得することに成功しました。

【事例5】地域密着型ビジネスで顧客とのエンゲージメントを高めるオウンドメディア

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/

地域に根ざした事業を行う企業は、自社の情報だけでなく、地域の文化、イベント、歴史、地元住民の生活に役立つ情報など、地域全体を巻き込んだコンテンツを発信しました。例えば、地元の祭りへの参加レポートや、地域特産品を使ったレシピ紹介、隠れた名所の紹介などを行います。これにより、単なる事業者としてではなく、地域社会の一員としての存在感を示し、顧客との深い信頼関係と親近感を築きました。結果として、顧客のエンゲージメントが格段に向上し、リピーターの増加や地域内でのポジティブな口コミが広がり、地域に不可欠なブランドとして確立しました。

成功するオウンドメディアに共通する3つの要素

これまで紹介してきた成功事例には、ある共通点があります。それは、やみくもにコンテンツを作るのではなく、明確な戦略と運用体制を持ってメディアを育てているということです。ここでは、成果を出すオウンドメディアに共通する3つの重要な要素を紹介します。

ターゲットと目的の明確化

オウンドメディアで成果を出すためには、まず「誰に、何を届けるのか」を明確にすることが不可欠です。たとえば、自社のサービスを知ってもらいたいのか、採用につなげたいのか、目的によって発信すべき内容や設計は大きく変わります。また、ペルソナ設定を通じて想定読者のニーズや行動を理解することで、読者に刺さるコンテンツが生まれやすくなります。

読者の心をつかむコンテンツ企画

ターゲットが明確になったら、次に重要なのは「読者が読みたくなる企画」を立てることです。たとえば、よくある情報ではなく、現場の声や独自の視点を盛り込むことで、読者の共感や信頼を得やすくなります。また、季節性やトレンドを意識したテーマ選びも有効です。検索キーワードの調査や競合分析を活用すれば、新しい切り口の発見にもつながります。

効果測定と改善を繰り返す運用体制

コンテンツを公開しただけで終わらせず、アクセス数や滞在時間、CV率(コンバージョン率)などの数値をもとに、改善を繰り返すことも成功には欠かせません。GoogleアナリティクスやSEO分析ツールなどを活用し、記事ごとのパフォーマンスを把握しながら、読者の行動に合った改善を加えていくことが重要です。定期的な見直しと運用ルールの整備が、長期的な成果を支えます

オウンドメディアを成功させるための具体的なステップ

成功するオウンドメディアには「戦略」と「運用の型」があります。思いつきで記事を量産しても、成果にはつながりません。ここでは、立ち上げから成果創出までの流れを5つのステップに分けて解説します。

ステップ1:戦略設計とKGI・KPIの設定

まず重要なのは、「なぜオウンドメディアをやるのか」という目的を明確にすることです。その上で、最終的なゴール(KGI)と、達成度を測る指標(KPI)を設計します。たとえばKGIを「問い合わせ数の増加」とする場合、KPIとして「月間PV数」「直帰率」「CV率」などを設定し、定期的に数値をチェックしながら軌道修正することが求められます。

ステップ2:ペルソナとカスタマージャーニーの策定

読者に刺さるコンテンツを作るには、架空の理想顧客像=「ペルソナ」の設定が不可欠です。年齢や職業、抱えている悩みまで細かく設定し、その人がどういう行動で情報を探すか(カスタマージャーニー)を考えることで、より的確なテーマや掲載タイミングを決めることができます。検索行動と連動した設計が鍵です。

ステップ3:コンテンツ企画と制作体制の構築

戦略とターゲットが明確になったら、次はコンテンツの「企画」と「制作体制」を整えます。社内リソースだけでは限界があるため、外部ライターや編集者との連携、進行管理の仕組み化などが必要です。また、記事構成やSEO対策を意識した企画会議を定期的に実施することで、質と量のバランスを保ちつつ運用できます。

ステップ4:効果測定と改善サイクルの確立

オウンドメディアは「つくって終わり」ではなく、効果測定と改善を繰り返すことが欠かせません。PVやCVなどの数値を定期的に分析し、成果の出ているコンテンツとそうでないものを見極めます。うまくいった記事をリライトしたり、成果の出ない記事はタイトルや構成を見直したりといったPDCAが成果を伸ばすカギです。

ステップ5:プロモーションとチャネル連携

良質なコンテンツを作っても、読まれなければ意味がありません。SNSやメールマガジン、他メディアとの連携を通じて、ターゲット読者にコンテンツを届ける仕組みを整えましょう。たとえば、記事をTwitterやInstagramで紹介したり、YouTube動画に記事への導線を設けたりすることで流入経路を多様化できます。

まとめ

オウンドメディアを成果につなげるためには、計画的な運用ステップに加えて、企業ごとの目標や特性に合わせた戦略が不可欠です。ここでは、成功事例の共通点から学べる「本質」と、すぐに実践できる戦略設計の考え方を紹介します。

オウンドメディア成功の鍵は「顧客視点」と「継続」

数多くの成功事例に共通しているのは、「自社が伝えたいこと」ではなく「顧客が知りたいこと」を軸にメディアを設計している点です。読者が抱える課題や興味に寄り添ったコンテンツを、長期的な視点で継続的に発信していくことが、信頼獲得と集客の成果につながっています。更新頻度を保ちつつ、内容の質を高めていく運用体制が不可欠です。

今すぐ始める!あなたの企業に合ったオウンドメディア戦略とは?

オウンドメディアの立ち上げや運用にあたっては、目的やターゲットに応じた戦略設計が重要です。まずは「誰に向けて」「どんな成果を出したいのか」を明確にし、そのうえでKPIを設定しましょう。すでに成功している企業の多くは、ビジネスモデルに応じてメディアの役割(リード獲得、ブランディング、採用など)を定義し、設計段階から運用まで一貫したストーリーを描いています。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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