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YouTubeのプリロール広告の効果

コンテンツマーケティング

 YouTubeのスキップ可能なプリロール広告の利用を考えている広告主は多いはずだ。良質な無料ビデオのお礼として、関連性の低い広告でも見てあげたい気持ちにさせるものである。だが実際には、ほとんどの広告がスキップされているのが現状だ。

 そんな状況の中、米国自動車保険Geicoの広告キャンペーンは異彩を放っていた。まだ見ていない方のために説明すると、Geicoの広告シリーズの特徴は、スキップボタンを押すタイミングでサプライズを用意しているところである。スキップボタンが現れるジャストなタイミングで、動画が終わるとみせかける。ビデオのフレームがフリーズすることでビデオの終了を臭わせるが、実は次の展開が用意されている。その中でも特に人気だったのが、家族が夕食を食べているとき画面がフリーズし、次の瞬間ペットの犬がすべてを食い散らかしてしまうというものだ。調査の結果、他にも同様の成功を収めている広告キャンペーンがあった。

善意のプリロール広告がビューワーを引きつける

 オーストラリア警察がコラボレーションしたプリロールは、行方不明者の発見を手助けする目的で作成された。クリエイティブなアイデアとして、最初の5秒をカウントした後に、行方不明者の写真とともに“YES I HAVE(はい、みました)”の表示が現れる。行方不明者が最後にみかけられた場所でのジオターゲット広告を組み合わせることで、少なくとも238回の”YES I HAVE”クリックが押され、新たな情報につながっている。

Burger Kingのスーパーターゲットプリロール広告

 Burger Kingの例は、プリロール広告のクリエイティブなキャンペーンのレッスンだけでなく、あなたの広告の視聴者を適切にターゲットする方法を学べる。Burger Kingが実践したのはサーチをベースにしたキャンペーンで、ビデオの検索に関連したプリロール広告を動画が始まる前に表示さるものだった。例えばユーザーが“アニマルアタック”の動画を検索すると、アニマルアタックについて言及するBurger Kingのプリロール広告が流れる。検索ワードと100%マッチするプリロール広告のため、オーディエンスが最後まで閲覧する可能性がかなり高まる手法だ。

スキップボタンで遊ぶ

5 秒ボタンを押す準備をしながら、ボタンをプリロール広告画面を眺める人が多いのではないだろうか。その視線を利用したプリロール広告がある。ドイツのコンパクトSUV「Opel Mokka」の広告キャンペーンは、5秒ボタンをフィジカルな対象物のように広告に取り入れたのだ。ボタン上を車で走らせたり、ボタンに衝突したり。5秒ボタンに注目が集まる中、どのように目を広告に向けさせるのかが、クリエイターの腕の見せ所である。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。