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スモールビジネス向けウェブサイトのSEOにKPIを設定する重要性

コンテンツマーケティング

マーケティングの部外者にとって、Googleアナリティクスはハードルが高く感じるものである。特にスモールビジネスのオーナーにとっては、まさにその通りだろう。アナリティクスの膨大なデータを適切に理解する時間やリソースを持たない彼らは、最重要データとして表示されるトラフィックを単に参照するだけで、ウェブサイトが機能していることの証拠としているのが現状だ。

スモールビジネスは入手可能なデータの分析方法を理解していないだけでなく、データの測定方法も知らないケースは多い。特に、オンラインで製品やサービスを販売していない場合がそうである。Eコマースサイトを所有する場合、マーケティングプログラムが順調に進んでいるのかの判断は簡単だ。日々の、もしくは週ごとの売り上げを参考にすればよい。

製造系スモールビジネスの情報オンリーのウェブサイトの場合、問い合わせが最も重要な目的になり、ページビューなどのデータはまったく意味を持たない。そんなスモールビジネス特有の問題の解決法として、SEOマーケティングプログラムにおけるKPI(重要業績評価指標)の有効利用がある。

どのKPIを測定すべきか?

考え抜かれたSEOプログラムでは、いくつかのマーケティング目標を設定する。例えば会社の認知度を高めるため、バイヤーに有益な情報を与えるなどだ。その結果、問い合わせ数も増えていく。目標達成のために、スモールビジネスが測定すべきKPIには次のようなものがある。

RFQ(見積依頼書)フォーム

WordPressなどのCMSから、データをエクスポートし分析できるため、最も測定が簡単なKPIになる。また、Googleアナリティクスからトラッキングしたより豊富なデータを入手した方が、より詳細な分析が可能になる。フォームの送信ボタンを押したら表示される、”ありがとう”ページを作成しよう。このページをGoogleアナリティクスゴールとして設定する。このようなシンプルなゴール設定は、アナリティクスにおける他の膨大な情報の活用が可能になる。例えばどのマーケティングチャンネルがゴールにつながっているのか、またコンバージョンに至るまでのセッション数などのデータを入手できる。

問い合わせ電話・Eメール

RFQフォームによる問い合わせは歓迎だが、ほとんどの問い合わせは電話やEメールで寄せられるという会社もある。そのため、スモールビジネスのカスタマーサービスや営業員に、問い合わせを記録するよう教育する必要がある。

問い合わせの記録にはGoogleのスプレッドシートがお勧めだ。使い方は簡単で、多くのスモールビジネスは社内システムにCRM機能を持たないので、社内で情報を共有するためにも有効な手段だ。問い合わせのスプレッドシートがない場合、問い合わせの内容を把握することが難しくなる。例えば8〜10月にかけて21件の問い合わせがあった場合、15件がEメールか電話で、残りがRFQからだと把握できる。

このようなデータを活用することで、リードがどのように会社にコンタクトをとるのかなどのセールスプロセスが理解でき、ウェブサイトがスムーズでストレスのかからないユーザーエクスペリエンスを提供しているのかを確認できる。

意外と簡単に入手できるデータからでも、隠された意味を読み解くことができるのだ。データを活用しユーザーの利便性を高めることでウェブサイトのトラフィックを増加し、最終的に売り上げにつなげてほしい。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。