パーパスブランディングとは?企業が「なぜやるか」を発信すべき理由
ブランディング

パーパスブランディングとは|「何をやるか」から「なぜやるか」へ
パーパスブランディングとは、企業が「何をやるか(What)」「どうやるか(How)」だけでなく、「なぜそれをやるのか(Why)」という存在意義(パーパス)を明確にし、それを軸にブランドを構築していく考え方です。従来のブランディングが商品やサービスの機能的価値、あるいは企業イメージの向上を主眼としていたのに対し、パーパスブランディングは「この会社が社会に対して果たそうとしている役割は何か」という、より根源的な問いに答えるものです。
なぜ今、パーパスが重視されるのか
Z世代・求職者からの視点
特に若い世代の求職者・消費者は、企業の理念や社会的姿勢を重視して企業を選ぶ傾向が強まっています。給与や待遇だけでなく、「この会社が何のために存在しているのか」に共感できるかどうかが、就職先や購買先を選ぶ基準の一つになりつつあります。
投資家・ESGからの視点
ESG投資が拡大する中、投資家も企業の財務指標だけでなく、社会・環境に対する姿勢やガバナンスを評価するようになっています。パーパスを明確に持ち、それを事業活動に落とし込んでいる企業は、中長期的な成長性や持続可能性の観点からも評価されやすくなっています。
パーパスブランディングの進め方3ステップ
①存在意義の言語化
自社が創業からこれまで大切にしてきた価値観や、事業を通じて社会に提供している価値を棚卸しし、「なぜ私たちがこの事業をやるのか」という言葉に落とし込みます。
②社内への浸透(インナーブランディング)
言語化したパーパスを経営層だけのものにせず、社員一人ひとりが自分の言葉で語れる状態を作ります。ここが不十分だと、後述する「お題目化」に陥りやすくなります。
③一貫した発信
採用サイト、オウンドメディア、商品・サービス、日々の顧客対応に至るまで、あらゆる接点でパーパスと矛盾しないメッセージを発信し続けます。
よくある失敗(お題目化・現場との乖離)
パーパスブランディングで最も多い失敗は、経営層が掲げたパーパスが現場の実務や評価制度と結びつかず、単なる「お題目」で終わってしまうケースです。パーパスを額縁に入れて掲示するだけでは、社員の行動は変わりません。日々の意思決定や評価の基準としてパーパスを機能させて初めて、社外に対しても説得力のある発信ができるようになります。
現場責任者に聞きました
Q. パーパスの言語化をご支援する際、企業側から最初に出てくる「本音の言葉」と、実際に世に出す「洗練された言葉」の間で、どんなギャップ調整をしていますか?
A. 安易に「持続可能な社会に貢献する」といった、いわゆる優等生的な言葉に置き換えてしまうと、誰の心も動かさない表現になってしまいます。私たちは、企業が抱える生々しい本音を極限まで純粋化し、社会や顧客から見て「応援したくなる大義」へと翻訳するアプローチを取っています。主語を「自分たち」から「社会・顧客」へと転換しつつ、その奥にある熱量やトゲはあえて削ぎ落とさないことを意識しています。
Q. パーパスが「お題目」で終わっている企業と、実際に機能している企業を見分けるとしたら、どこを見ますか?
A. 見るべきポイントは、苦境や不都合な状況に直面した際に、そのパーパスを基準として「やらないこと(撤退・辞退)」を決められているかどうかです。収益性の高い案件であっても、自社のパーパスに反する場合はそれを断れるか。事業ポートフォリオを切れるか。意思決定における「捨てる基準」として機能していれば本物であり、単なるスローガンや掲示物にとどまっている場合はお題目に過ぎません。
Q. パーパスブランディングのご支援で、経営層と現場の間の温度差を感じた具体的なエピソードはありますか?
A. 経営陣は「未来の存在意義」を語っているつもりでも、現場から見れば「ただでさえ忙しいのに、また上から綺麗なスローガンとタスクが降ってきた」という受け止め方をされてしまうケースがあります。この断絶は、策定プロセスに現場の代表者や若手社員を一切巻き込まず、トップダウンの発表会のみで完結させてしまった場合にほぼ確実に発生します。
まとめ|パーパスは「掲げるもの」ではなく「体現するもの」
パーパスブランディングの本質は、美しい言葉を掲げることではなく、日々の事業活動の中でその言葉を体現し続けることにあります。存在意義の言語化から始め、社内への浸透、そして一貫した発信へとつなげていくプロセスそのものが、企業のブランド価値を形づくっていきます。
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ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長
創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。







