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133年前のクラフトビールを復活させようとしているCarlsberg

ブランディング

グローバル戦略の一環で、Carlsbergが133年前のビール酵母セルを活用しようとしている。オンラインキャンペーンとテイスティングセッションで、オリジナルビールの復活を試みているのだ。

キャンペーン

ビールのビッグブランドはどこも、クラフトビールブームに流れる消費者の取り込みに苦慮している。Carlsbergはメジャープレイヤーとして、この流れにどのように乗るのかを決断した。

まずメディアの注目を集めるため、Carlsbergラガー初期のレプリカボトル30本を生産した。そして、Carlsbergがさまざまな場所で開催するテイスティングセッションに参加するために、コンシューマーにオンラインでサインアップするよう促した。これにより、カスタマーやデモグラフィクス情報を集める目的も達成できる。

またキャンペーンをサポートするため、Carlsbergはクラフトビールがどのように熟成されるかを記したドキュメントをリリースすることで、同時にブランドストーリーの発信もしている。

ブランドストーリー

ブランドストーリーのパワーについては、周知の通りだ。Carlsbergは既に、強力なブランドイメージを有する。
しかしクラフトビールマーケットでは、新たなブランドストーリーの発信が必要だった。
Marketing Weekのレポートで、CarlsbergグローバルマーケティングマネージャーRasmus Bendsten氏は、次のように語っている。「酵母は、私たちの日常に存在する。だがCarlsbergのオリジナル酵母については、これまで世界に向けて積極的に発信してこなかった。
そこで、モダンで楽しい方法で伝える必要性を感じている。」

違いを強調する

Carlsbergは、クラフトビールを新たなマーケットと捉えていない。
ただ、パッケージを変更し、オリジナルビールボトルを復活させただけだというのだ。キャンペーンの目的は、コンシューマーのマインドにあるイメージを変えることで、Carlsbergに再びクラフトステータスを蘇えらせることだ。
Bendsten氏は続けて言う。「Carlsbergは真の世界最初のクラフトビールメーカーであり、メインストリームとして人気を博していた。しかし、別のところに向かっていたブランドとしての方向性を再び戻しているところだ」。

キャンペーン後は?

Carlsbergのキャンペーンは、商業ベースへの展開は考えていなかったが、大きな成功を収めればその可能性が出てくるという。

今後の展開は未定だが、Carlsbergはオンラインとテイスティングセッションを通じたキャンペーンに集中すべき段階にある。そこでのカスタマーの反応から、ブランドの進むべき方向性が見つかるはずだ。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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