ブレグジット後の世界とEUブランドへの影響

ブランディング

ブレグジットに関する議論がかまびすしい。英国とEUだけの歴史的イベントではなく、世界全体への影響はどのようなものになるのか懸念されている。マーケッターとしては、おそらくEUブランドへの影響が気になるところだろう。

ブレグジット:英国のEU離脱

保守政権による英国政府は、EUに残留するのか離脱するのかについて、国民投票を行うことを決めた。そのあまりに大きく複雑な決定に対し、メディアや政治家はそれぞれの立場に国民の賛同を得るため、虚実織り交ぜた情報合戦に突入した。

そして2016年6月23日、国民の52%がEU離脱の票を投じ、EUを離脱するときに適用されるリスボン条約第50条の初の履行国になることが決まった。その決定を受け、当時首相だったDavid Cameronや閣僚の辞任が即座に実行された。ポンドは下落し、日本と中国は英国への投資の懸念を表明した。一般世論は、ブレグジットに伴う混乱の状況を受け入れたようだ。
そして、主要な事実、統計、真実を伝える信頼に値するメディアを、シングルソースとして求めるようになった。
“残留”と“離脱”キャンペーンは、多くの人にとってブランディングの訓練になった。ブランドの間違ったプロミスと真実を見極めることの大切さに、気付かされるイベントだったのだ。

残留派のマーケティングキャンペーン

ブランディングの観点から、残留派のマーケティングキャンペーンはターゲットオーディエンスの声を十分聞かなかったことに失敗の原因がある。さらに残留をプロモートする理由があったはずなのに、それを伝えるオーディエンスのコミュニティ戦略に欠陥があったのだ。

離脱派のマーケティングキャンペーン

残留派のマーケティングキャンペーンの失敗は、離脱派の成功を意味しない。
一貫性のないマーケティングメッセージや根拠に乏しい説明は、離脱投票を呼び掛けるのが主な理由で、戦略やターゲティングが優れていたわけではない。計画性や真実に関係なく、偶然マーケティングメッセージが多くの国民と共鳴しただけだ。だが興味深かったのが、キャンペーンで強力なポジショニングを確保したのが“ブレグジット”というブランドネームだ。この名前は、ギリシャが経済危機に陥ったときも“クレグジット”として使われている。

ブレグジットのEUへの影響

英国の離脱は、EUにとって大きなダメージになる。それは始まりに過ぎず、今後もEUの価値に対する疑問は大きくなるだろう。クレグジットがまた再燃するかもしれない。イタリアやスペインでも同じ動きが予測される。EUブランドの復権は、乏しいコミュニケーション戦略の充実化と、強力なEUブランドの再構築ができるかにかかっている。
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