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ブランドから学ぶクリエイティブなコンテンツを提供する方法

ブランディング

クリエイティブでインパクトのあるコンテンツで、ライバルに差を付けたいと考えるマーケッターは多い。実際にパワフルでオーディエンスの興味をひくコンテンツは、最終的に購買にまでつながる可能性が高くなる。かといって、必ず成功するコンテンツの秘密の方程式は存在しない。だが、効果的なマーケティングマジックのサインは認識できる。ブランドが語るオリジナルのストーリーの中にサインは隠され、それがターゲットオーディエンスのアクションを引き出すトリガになるのだ。

マーケッターの努力が、徐々に報われるようになっている。北米における2017年B2Bマーケティングの予算やトレンドのベンチマークデータでは、62%のマーケッターが、数年前より組織のコンテンツマーケティングは成功していると回答している。成功を実感するマーケッターの内85%が、コンテンツ作成の要素が成功のファクターになっていると感じている。例えば、高品質のコンテンツや効率的なコンテンツ作成などだ。

コンテンツビジネスを観察すると、そのような成功しているブランドから多くのことを学ぶことができる。例えば次のようなことが、成功のためのマジック方程式としてあることを知っておいた方がよいだろう。

オーディエンスにストーリーを語ってもらう

ブランドストーリー以上に、パワフルなコンテンツはあるだろうか?オーディエンスがどのように、ブランドの製品やサービスを日常で活用しているのかを語る。そして、オーディエンスのアイデアや意見、芸術的な才能を表現してもらう。彼らがブランドのプロモーションに貢献してくれていることを認識しよう。

オーディエンスとのコラボレーションをうまく実践しているのが、Appleのケースだ。Appleはソーシャルメディアを巡回し、24カ国77人からiPhoneで撮影された素晴らしい写真をピックアップした。それらの写真は動画シリーズやTVスポット、野外広告などに使われ、”iPhoneによるショット”とうタグラインを挿入した。コンテンツの作成方法としてはミニマリストなアプローチだが、言葉を使うことなくオーディエンスの複雑でエモーショナルなストーリーを伝えることに成功している。

莫大な予算を消費する大掛かりなコンテンツはもはや不要になったといえる。Appleのようなジャイアントブランドもそのことに気付いている。その意味では、スモールビジネスでも公平に勝負できるマーケットになったのだ。これからはオーディエンスの目、耳、感覚を楽しませるアイデアが価値を高める時代になる。そのためにストーリーが果たす役割に注目したい。

ユーザー重視のコンテンツの作り方

オーディエンスは、優良コンテンツに飢えている。彼らが求めているのは今抱えている問題の解決につながるコンテンツで、クリックベイトのコンテンツにうんざりしているのだ。しかも定期的にアップデートされるコンテンツを必要としており、長期間更新されないとそのウェブサイトへのアクセスを止めてしまう。コンテンツクリエイターにとっては、そのようなコンテンツを提供し続けられるかどうかが重要な問題になる。

クリックベイトでない高品質のコンテンツを素早く作るには

迅速に明快に必要な情報が伝わるコンテンツを書くための方程式は存在しないが、フレームワークがないわけではない。これから紹介する6つのステップをベースに、高品質でユーザーのニーズに応えるようなコンテンツを作ることができる。

ステップ1:コンテンツのアウトラインを描く

信頼性を損ねたければ、一貫性のないばらばらなコンテンツを作ればよい。あなたは何を書いているのかを把握しているつもりでも、オーディエンスは未整理のコンテンツにストレスを感じるはずだ。文章を節ごとにポイントを整理するように、コンテンツのアウトラインはシンプルに描ける。その課程を経ることで、文章はほぼ完成するといってもよい。

ステップ2:標準業務手順書(SOP)を作成する

SOPがあれば、ストレスフルなコンテンツ作成が、簡単なマネージメントシステムに変わる。コンテンツ作成の方法が確立していないと、コンテンツを作成する度に思考をこらす必要がある。SOPの繰り返し手順を取り入れることで、コンテンツ作成が容易な標準プロセスになるのだ。

ステップ3:リサーチャーの雇用を検討する

あなた自身でコンテンツを作れればよいのだが、仕事が順調に進むほど他の作業が増え、自分でリサーチできる時間がなくなってしまうこともある。そこで外部のリサーチャーに委託することで作業の一部を担ってもらうことも、効率的なコンテンツの作成のために必要になる。

ステップ4:オーディエンスのアクションを引き出す

あなたのコンテンツが、オーディエンスにとって必要な理由を提供しよう。オーディエンスは、今抱えている問題を解決するためにあなたのコンテンツを参照するのだ。あなたの提供するソリューションが明確なほど、彼らは実際に行動に移し、あなたへの信頼度を高めるはずだ。

ステップ5:価値の高いリソースにリンクする

オーディエンスはあなたが何でも知っているとは思わないが、答えが見つかる場所を教えてほしいと考えている。検索エンジンが常に正しい結果を示してくれるとは限らない。オーディエンスは、あなたが正しい情報を提供してくれることを信じているのだ。

ステップ6:既にある素材をうまく活用する

あらゆるマーケットは既に成熟している。インターネットで入手できるコンテンツをヒントに、あなた自身のユニークな視点でコンテンツを作ることで、オーディエンスにとって新たな価値を生み出すことになるのだ。

シェアされやすいコンテンツとは

Webマーケティングの業界においてはシェアされやすいコンテンツの生成が成功の鍵とされており、売り上げを大きく伸ばして維持するために不可欠な要素の1つといえます。
まず、可能な限り検索エンジンで上位にサイトを表示させ、多くの閲覧者へ提供しているサービスや商品の内容を知ってもらうことが重要であり、利用者が少なく信頼性の低い商品は売れにくい傾向を持つ点に着目しなければなりません。

一定のシェアを得るためには

一定のシェアを得るためにはこのようなSEO対策と同時にサイト内のコンテンツを充実させ、閲覧した人の興味を引くような状況を作る戦略がポイントです。シェアされやすい代表的なコンテンツとしては閲覧者に対して有益な情報を提供できるテキスト文章に加え、Flashなどを用いた映像・音声関連の技術があげられ、内容が充実するほど外部リンクなどの増加が見込めるようになります。
SNSやメルマガなどを用いて情報を拡散する手法も併用すると効果的で、ユーザーを獲得し確実に土台を準備できるメリットを持ちます。
また、近年では携帯端末が広く普及したことにより、パソコン以外からサイトを閲覧する機会が増えており、Webマーケティングにおいても様々な端末で閲覧・利用できるようなサイト設計が求められています。

あなたのコンテンツは本当に必要とされているか?

あなたのコンテンツは本当に必要とされているか?

あなたがコンテンツの発信を止めたとき、残念に思う人はいるだろうか?

”もし誰かがあなたのコンテンツをまとめて、どこかのボックスに閉じ込めてしまったら? 誰が寂しがるだろうか?マーケットプレイスにギャップを残すことになるだろうか?もし答えがNOであれば、それは問題である。私たちが必要なのは、私たちのコンテンツを熱望するオーディエンスや見込み客であり、コンテンツが彼らの生活や仕事の一部にならなければならない”

他の人の言葉を借りれば、これを”コンテンツへの期待”と呼べる。これは新しいコンセプトではなく、数年前にFrank Reed氏がコンテンツへの期待について印象的な記事を書いている。しかし、コンテンツへの期待にフォーカスするマーケッターは今のところほとんどいない。

一方で、マーケティングの成否を評価する最も重要なメトリクスのひとつとして、購読者の人数にフォーカスするマーケッターは多い。購読者数を増やすことは基本的な目標でもあるが、そのことがオーディエンスがあなたのコンテンツを期待していることの指標だと捉えてはいないだろうか?

期待がオーディエンスのロイヤルティと支援を生む

なぜ、人々があなたのコンテンツに参加することを望むのだろう?それは、オーディエンスがあなたの作成するコンテンツやブランドへのロイヤルティを感じている証であるからだ。コンテンツマーケティングはブランド認知度を高め売り上げの向上につながると同時に、良質なカスタマーを生むパワーを持つ。あなたのコンテンツにロイヤルティを感じる人たちはあなたのブランドへの愛着を深める可能性が高く、さらに他の人たちともブランドの素晴らしさをシェアしたいと考える。そのようなオーディエンスの期待に応えるコンテンツを発信し続けられることが理想である。

あなたのコンテンツが必要とされない理由には次のような原因がある。

・オーディエンスにソリューションを提供できない
・トピックの範囲が広すぎる
・自画自賛の内容
・たいくつな内容
・フォーマットが不自然
・広告のような内容

では、どのようにすればオーディエンスから期待されるコンテンツを作れるのか?あなたが好きな同じインダストリーのコンテンツや、一般的なコンテンツのことを考えてみよう。そのサイトのオーナーやデザイナー、動画制作者について調べ、あなたが好きな理由を追及してみるのもよいだろう。似たようなコンテンツを作るのではなく、あなたのオリジナリティを発揮できるポイントを発見するつもりで検証してみよう。あなたのサイトに発見したことを取り入れることで、オーディエンスに期待されるコンテンツの発信ができるはずだ。

オーディエンスが求めるコンテンツを提供する重要性

オーディエンスが求めるコンテンツを提供する重要性

すべては、オーディエンスが求めているコンテンツを発信できるかどうかである。コンテンツチームが何に興味を持っても、次に何がホットトピックになるか予測しても、何をオーディエンスに伝えたいか考えようが関係ない。また、あなたのインダストリーがどんなに盛り上がろうと、どんなにライティングスキルが高かろうと、コンテンツにマッチするキーワードが多かろうと、コンテンツマーケティングの成功には関係ないのだ。むしろ、思慮深いコンテンツに対する考え方、コンテンツヘッドラインのフレーム、既存の、もしくは未来のクリエに基づいたメタディスクリプションタグが、コンテンツマーケティングの成功につながるのだ。

Vertical Measuresのコンテンツチームには、常に「タイトルのダブルチェックと検索エンジンで検索されているキーワード確認を怠るな」の声が響く。GoogleやBeingの検索エンジンは、文章の善し悪しや、コンテンツが貴重なデータを示しているのかまでの理解は不可能だ。例えあなたが、オーディエンスが必ずみたくなるコンテンツだという自信を持とうと関係ない。検索エンジンが最優先するのは、検索ワードに対し、タイトルやメタディスクリプションがどれだけ一致するかどうかだ。

実際にタイトルとコンテンツ、両方とも失敗しているケースは多い。理由は簡単だ。オーディエンスが検索しているタイトルとコンテンツではないからだ。無価値のコンテンツのために、数時間も作業に費やすのはもったいない。では、オーディエンスが求めるコンテンツを作成するために、重要な心構えとはどんなものだろう?

コンテンツに対する考え方を深める

バイヤーが購買を決定する方向に導くためにコンテンツマーケティングが果たす重要な役割には、多くのマーケッターが気づいているはずだ。それは、コンテンツがブランドの認知度や信頼性を高め、セールスにつながる多くのリードを生むためだ。元GE Capital Retail BankのSynchrony Financialは、例年のMajor Purchase Shopper Studyを実施し、500ドル以上の買い物を計画している消費者の80%がオンラインでリサーチをすることが分かった。1年前より20%も上昇してじる。また、大きな買い物を計画する消費者がリサーチに費やす時間は、平均79日だという。

ブランドにとって決定的に必要なのが、リサーチ中にオーディエンスの検索にかかることだ、という事実が理解できるデータだろう。そのタイミングで消費者のニーズにマッチした情報を届けることで、バイヤーが購買を決める際、あなたのブランドが彼らの頭の中に、真っ先に浮かぶはずだ。

ブランドのボイスを届けるコンテンツを作ろう

ビジネスは、ブランドのビジュアルに頼る傾向がある。文章について気にかけない代わりに、文字のフォントの選択に数日間も話し合ったりしている。ほとんどの場合、文章を書くのが得意な社内の人材をライティングコミュニケーションの担当者に命じる。通常彼らは、国語、もしくは外国語を専門に勉強しており、文法や読み書きに優れているが、ブランドのボイスを活きた文章に取り入れることに慣れていない。そのため、そのような経験不足の担当者によるウェブサイトやプレスリリース、製品ガイドは、彼らの目から見た会社の断片情報の寄せ集めでしかなくなっている。

ブランドのボイスをコンテンツに取り入れるためには、スタートから適切に対応しなければならない。それができなければ、ブランドの効果を十分に伝えることは不可能なのだ。ブランドのイメージやデザインにフォーカスする企業が多いが、内容の乏しいコピーライティングやブランドボイスがウェブサイト全体の評価を下げているケースは多い。では、テキストを読んだオーディエンスに、ブランドのボイスを響かせるにはどうすればよいのだろう?

カスタマーの声を聞く

あなたのブランドボイスは、ターゲットマーケットのニーズにマッチする必要がある。ブランディングの専門家は、次のように説明する。

”コンテンツの文章を書く前に、関係者の声を聞かなけれならない。カスタマーのコミュニケーションスタイルはどんなものか?フォーマルで的確か?または、カジュアルで気軽に会話をしている感じだろうか?オーディエンスがロックを期待しているのに、クラシックを流したくはないだろう。あなたが目指すべきゴールは、言葉や文章を組み立てることでオーディエンスにアピールし、ブランドへの親密度を高めることだ”

そしてブランドは、自らオーディエンスが何を求めているのかを聞く必要がある。その際は、以下のことに注意する。

・オーディエンスが要求や問題について言及するときに使う言葉や用語を意識的に使う
・オーディエンスのスキルレベルに応じた言葉や用語を使う
・まじめな内容でも、ウィットやユーモアを交えて話す
・大げさな言葉や専門用語を使わない
・スラングなど若者言葉を使わない

ブランドボイスは、社内だけで通用しても意味がない。ブランドに加え、提供する製品やサービスの利点を的確に伝えながら、オーディエンスのニーズに応じた言葉使いで発信することで、ブランドの本当の声を届けられるのだ。

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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