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CSRが革命的なコンセプトになり得ない理由とは

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フェーズ1:慈善事業
初期の段階は1970年代に遡る。CSRとは慈善事業であり、企業は利益の一部から寄付金を拠出していた。ちょっとした考え方のシフトにより、このCSRの形は進化を始める。企業は慈善事業に対し戦略的に取り組むようになり、地元コミュニテイのプロジェクトにフォーカスするようになった。これが“企業の社会的投資”へと育ち、慈善事業に結果と利益を求めるビジネスセンスが加わったのだ。

フェーズ2:グローバルスタンダード
グローバリゼーションがゆっくりと世界に広がり初め、グローバル化がビジネスにもたらす影響に活動家が注目し始めた段階にあたる。そして慈善事業の狭い概念から、一般市民にまでCSRの概念が浸透し始めたのもこのころだ。グローバルに活躍する企業は、“コーポレート・シチズンシップ”として、社会的責任を負う市民として認知されるようになった。

フェーズ3:市民が主導するコーズ・マーケティング
“コーズ・マーケティング”という用語が登場した時、CSRが初めて利益を得るためのビジネスとして捉えられるようになった。これは我々が抱くCSRの概念の大きな変化である。これにより利益を得るための手段としてCSRが広く知れ渡るようになり、ビジネス戦略としてのCSRが大きく発展するようになった。

そして現在CSRはコスト削減が目的ではなく、利益の向上に寄与する概念としてフォーカスされているのだ。

2016年にCSRが向かうトレンドとは

ここ5年は毎年1月に、CSR(企業の社会的責任)の状況を立ち止まって確認している。結果はいつも「物事は順調に進んでいる」であるのだが。CSRの考え方が育つにつれ、新たなユニークな声がどこからともなく届き、新鮮なイノベーションが生まれ、パワフルな世界企業から中小企業にまでCSRの概念が広がっているように感じる。一方でCSRの問題は残ったままで、さらに複雑化している。2015年は企業がCSRを無視できないことが証明された年だった。2016年以降、CSRのトレンドはどのようなものになるのか。過去のトレンドから、将来向かうだろうトレンドを予測してみよう。

気候変動対策に本腰を入れ始めたビジネス
EMCのCSO(最高サステナビリティ責任者)Kathrin Winkler氏は、「2015年はビジネス、政府、社会、そして教会でさえも、みんなが気候変動に対する行動を起こした年として記憶されるだろう」とする。それは確かである。ほんの少し前までは、企業は気候変動への対応を拒んできた。今では企業が、気候変動対策の重要な要素に含まれている。パリで行われたCOP21会議では気候変動の悪化を緩和するために、企業の責任者たちが議論や交渉をリードするまでになったのだ。そして、気候会議には民間の関与が欠かせないと多くの者は信じている。2016年はコカ・コーラ、P&G、ソニーなどのグローバル企業が、この傾向を持続させるための大きな責任を負うことになるだろう。

社会的正義はもはやビジネスの一部に
アメリカ最高裁の同性結婚に対する歴史的判決は、メインストリームのブランドといえども社会的正義への関与は免れないことを証明した。特に同性愛者の権利については。アメリカン航空からメイシーズ、Jell-Oに至るまで、#LoveWinsキャンペーンへの参加は必然だった。他にもH&MやClean&Clearなど、同性愛者モデルをキャンペーンに登場さえている。同性愛者の権利だけでなく、拡大する職場近隣の格差問題を解決するために、ブランドは引き続きリーダーシップを発揮していくだろう。TwitterはNeighborNestプログラムを立ち上げ、サンフランシスコの中央マーケットストリートやテンダーロイン近郊コミュニティを支援している。

透明性を増す高級ブランド
作家でコンサルタントのAlice Korngold氏は、CSRのトレンドを反映した公平性の高まりを指摘する。「物事を正そう」と彼女は言う。「みんながあなたを見ている」とも。今日の企業は透明性が求められているという。最近の傾向として、高級ブランドの透明性が高まっている。Positive Luxuryの共同創設者でCEOのDiana Verde Nieto氏は次のように説明する。「Modern Slavery Act、国連の持続可能な開発目標(SDGs)、COP21などの会議により、サステナビリティとビジネスの関係が‘良いことをしよう’から法的な義務に変わりつつある。そして利害関係者から透明性や行動を求める声が高まっている」。特にミレニアム世代は、サステナビリティ、道徳、透明性を持ったブランドを選ぶ傾向にある。

Campbell Soup CompanyのDave Stangis副社長は、2015年と2016年のCSRについて次のように話す。「確かに2015年は責任、透明性、目的が期待された年だった。そして2016年、ブランドはよりクリエーティブに、そしてコラボレーションを進め企業責任の新時代を切り開くことが期待されている」と。
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