伊藤園が取り組む高品質な茶葉を手に入れるための茶産地育成事業
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近年、国内では農地の遊休化や農家の後継者不足が深刻な問題となっている。お茶は将来の市場性もあり、土地利用型の永年作物であることから、農地を長期利用できる作物として重要な位置付けにあると考えられている。
しかも、お茶の消費量は、缶やペットボトルの飲料として発売された1980年代以降、増加を続けてきた。 ところが、就農者の高齢化や後継者問題、相場の乱高下などの経営不安が原因で、茶葉面積、就農人口は年々下降していく傾向にあり、地域によっては悠久のうちの増加が深刻な問題となっている
。 その一方で、中国をはじめとした外国産が輸入され、価格は安いものの品種や気候の問題から、日本人の嗜好に合わない傾向も見受けられます。 そこで、伊藤園が始めたが、今後も需要の増加が見込まれる緑茶飲料用の原料を安定して調達することを目的にした、茶産地へのサポートだ。
それは、 1.高品質な国産緑茶原料の安定調達、および生産の効率化 2.生産農家の育成 3.遊休農地の積極的な活動 を軸に茶産地育成事業を展開している。 契約を締結した農家では栽培指導や情報提供を行って品質向上を目指し、茶葉を全て買い取っている。また国内の遊休農地事業では、茶園の造成と茶葉の生産についてのノウハウを全面的に伊藤園が提供し、それにもとづいて地元の市町村や事業者が主体となって栽培を行ってもらう。そこで生産された茶葉は全て伊藤園が買い取るというシステムだ。
これによって、農家は安定的な生産と出荷ができるようになるため、経営が安定し、伊藤園も効率良く茶葉を仕入れることが可能になっている。これもまた、社会問題の解決と企業の利益の追求がセットになったCSVのひとつのカタチといえるだろう。 参照 http://www.itoen.co.jp/
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