既存の顧客にクロスセリングするために、コンテンツマーケティングが果たす役割とは

コンテンツマーケティング

新規の顧客を開拓するためには、既存の顧客を維持するより50倍のコストが必要だろうか?それとも100倍?

数字の話はともかく、我々は既存の顧客を維持することの重要性を認識している。もちろん、ただ維持していけば良いという話でもないのだが。

既存の顧客とは、過去に購買契約を交わした顧客である。つまり新たなセールスのオファーをした場合、再度購入してくれる可能性を見込める顧客でもある。このような販売方法を、クロスセリングと呼ぶ。

ホリゾンタルセールスレター

ホリゾンタルセールスレターのコンセプトは単純である。

まず伝統的なセールスレターとは何か?それはヴァーティカルセールスレターである。ヴァーティカルセールスレターとは、商品の特徴や購入したときのメリットをすべて、長々と説明する。90秒のユーチューブが冗長であると感じる我々の世代にとって、そのようなメールを読むのはとても苦痛である。ヴァーティカルセールスレターは基本的に、顧客に対する既成概念に基づいて行われているのだ。

それと対照的なのが、ホリゾンタルセールスレターである。 ホリゾンタルセールスレターが伝えるメッセージは短いが印象的である。そして顧客が最も快適なチャネルを通じて届けられる。Eメールやソーシャルネットワーキングなど、コストを抑えた方法で提供するのが特徴である。

既存の顧客に効果的なクロスセリングを試みるためには、現在顧客が望んでいる情報以外にも、他の商品や新商品に関連するコンテンツも交えるとよい。

あなたのビジネスに新パートナーを迎えるなど新たな動きがある場合は、それをコンテンツに取り入れることで、既存の顧客にとっても新たなチャンスが生まれるのである。

グラフィックストーリー

1989年創業のPNI Creative社は、既存取引先の一大グループを抱える。

PNIオリジナルのサービスは、不動産向けグラフィックのレイアウトや印刷サービスで、顧客の90%が不動産業者だ。

2001年までPNIの主要ビジネスは、現実の壁をデザインすることだった。しかし不動産業で、インターネット広告の効果が注目されるとともに顧客から相談を受ける機会が増え、PNIは遂にIT技術者2名を採用し、不動産業者向けウェブサイトの提供ビジネスを開始した。そして2005年、ウェブサイトのグラフィックとデザインによる売り上げが、全体の40%を占めるまでになった。

しかし皮肉なことに、多くの顧客がPNI Creative がウェブサイトのデザインを手掛けていることを知らないままだった。彼らの多くが、いまだに“サインカンパニー”と認識したままだったのだ。

そこでPNIが取った行動とは?

  • 既存の顧客にEメールでニュースレターを送ることで、周知徹底した。これまでニュースレターは存在したが、ほぼ使われてない状態だった。
  • ウェブによる宣伝効果の高さと必要性を不動産業者に認識させる目的で、コンテンツを作成した。
  • ブログを定期的に更新し、コンテンツの更新を週刊のニュースレターで知らせるようにした。

PNI Creativeが掲載したブログのタイトルとは以下のようなものだ。

不動産業者のウェブサイト成功ストーリー11
不動産業者がウェブで集客するためのベストな方法とは


これらのコンテンツは、既存の顧客のニーズとマッチしたため、大いに歓迎されることとなった。

顧客からコンテンツ発信の許可を得る

PNI Creativeの例を取り上げてまず感じたことが、既存の顧客にEメールを送付する許可を、どのように得たのだろうということだ。実はこのようなマーケティングを成功させるために困難なことが、許可を得るために顧客をどう説得するかである。

既存の顧客たちは恐らく、主に低コストのチャネル、Eメールやツイッター、LinkedInなどをコミュニケーションの手段として利用している。コンテンツビジネスを成立させるためには、顧客とチャネルで繋がることが決定的に必要となる。コンテンツを届けるためには、まずそのような場があることを顧客に知らせる必要があるのだ。そのため、顧客からコンテンツを届ける許可を得るための説得は、注意深く行わなければならない。

そして一旦許可を得ることが出れば、顧客にとって興味を引く有益な情報を含むコンテンツを提供し続けることが重要となる。そのようなコンテンツを持つことで、更に別の顧客からの許可を得やすくなるだろう。

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